2010年ヌーボー、現地情報

 シャトー・ド・プラスレ・ロワ Chateau de Blaceret Roy

 

2010/08/11・・・ティエリー・カナール氏からのコメント

ブドウ果は成熟が始まり,赤く色を変えようとしています。シャトー・ド・ブラスレ=ロワのブドウ畑では,概ねむしむしとうっとうしい天気が続き,夕立もあります。雨は降りますが,雹は降っていません。その雨が多少なりとも涼をもたらしてくれます。
ブドウ畑は十分健全な状態にあり,緑が鮮やかで,葉緑素が活発に作用しています。今,私たちに必要なことは収穫が予想される9月10日〜15日まで暑い日が続くことです。
結実不良(=ミルランダージュ)のブドウ果は,とても良質なワインを期待させます。ますます,天候が重要な要素となります。

2010ヴィンテージは、昨年逝去されたジェラール・カナール氏に捧げるワインとして
「キュヴェ・オマージュ・ア・ジェラール・カナール」という特別のプリムールとなっています。

 

 マルセル・ラピエール Marcel Lapierre

  

■8月第4週 『甘い!!!一気に糖度があがる』
4月中旬の開花から120日以上が経過し葡萄は綺麗に成長を遂げた。8月の乾燥していながら、暑すぎない冷涼な気候は理想的と言ってよい。日照量は2009年同様十分にあるのでヴェレゾン(色づき)も順調に進んでいる。もうほとんどの房の9割以上色づいている。この分でいくと通常よりも早い収穫となるかもしれないという。
『葡萄の粒が非常に小さい』
ミランダージュ
と呼ばれる現象で何らかの影響で結実不良果が多くなり、小さい果実が多くなることを言う。果汁に対して果皮の比率が高く、アントシアニンなどが豊富であることと、糖度が高くなること。更には果実間に隙間ができることで空気が流れ、カビに侵される事がないそう。収穫量は減ることとなるが質の高い葡萄が約束される。『収穫は9月6日前後に。』

 

■8月第1週 『順調なヴェレゾン』
しばらく涼しい日が続いたが完璧な生育状態に変りはない。空気は乾燥しているが地中深くには水分がある。理想的な状態。日照量は多く、例年より少し早いくらいにヴェレゾン(色づき)が始まっている。この分でいくと収穫は例年通り、9月14日にレザン・ゴロワーの畑の収穫を開始、20日にはモルゴンの収穫になりそうだとのこと。カンボンは毎年のことだが最後まで決らない。

セラー内では発酵槽などの清掃作業が急ピッチで始まった。蔵付き酵母と葡萄の果皮に着いている自然酵母のみで発酵させるラピエールのような造り手の場合、発酵はゆっくりと進む。アルコールに変化する前の果汁段階は液体自体非常に不安定である訳だが、自然酵母のみの発酵では、この不安定な期間が長くなることとなる。この不安定な時期にバクテリアの繁殖がおきない様、収穫後、低温で2〜3度に冷やす。そして、最も重要なのが清潔な発酵環境。重要な仕事だ。

 

 ドメーヌ・リュエ Domeine Ruet

 

今年は、4月はとても暖かく暑いぐらいだったのですが、反対に5月が非常に涼しく気温は最高でも17〜20℃までしか上がりませんでした。そのため、開花は例年より非常に遅く、5月末から6月初めに始まりました。厳しい冬、そして5月に気温が上がらなかったことにより、昨年よりブドウの生長スピードが遅くなっています。
よって、収穫も昨年よりも遅い9月10日頃になるだろうと予測しています。(昨年のリュエの収穫スタートは8月28日)
今月は、数回雹を伴う雷雨に見舞われましたが、運良く私どもの畑は被害を受けることはありませんでした。その後は順調に晴天が続き、空気も乾燥しています。
現状から予測すると、収量・質ともに「良」といったところでしょうか。
毎年のことではありますが、ブドウの良し悪しはこれからの夏の天候に大きく左右されます。これからのブドウの成熟にとって必要な太陽と適度な雨に恵まれることを心から願うばかりです。

 

 モメサン Mommessin

 

 

葡萄畑は良い状態で初夏を迎えました。
長かった寒い冬の後、春は暖かく乾燥していたので、葡萄の生育は早くから順調に始まったといえます。
5月は気温が低かったので、樹の枝はゆっくりとした成長しました。開花の時期になり、最初のつぼみが開いたのが6月15日頃、平年より約15日遅い開花でした。
果実の収穫開始は開花日に関係しているので、今年の収穫日は少し遅くなると予想しています。1本の樹についている房の数が少ないので、農家はよい状態の(凝縮した)果実が得られるのではないかと想像しています。
晴天と雨が交互に訪れた6月後半、このような天候は病害が発生しやすいため、農家は葡萄の樹の状態を非常に注意深く観察していました。
この農家の努力により、葡萄の樹は健康的な状態で夏を迎えました。これから成長して良いよい果実ができるのを期待しています。(ユーグ・ウィッツ、モメサン社 社長 )

 

 

 ドメーヌ・ド・ラ・トゥール・ボワゼ Domaine de La Tour Boisee 〜7月7日(水) ラングドック、ブドウ畑の中心より 〜

 

 

 

 

 

 

私たちの畑にはちょうど本格的な夏の訪れがやってきました!外では毎日セミがひっきりなしに鳴き続けています。夜間でも気温は21度を下回らず、真夏の気候がこれからできるワインに地中海らしい、柔らかなタンニをもつ完熟果実の風味を与えてくれることでしょう。
ブドウの木はこれから、2ヶ月に及ぶ猛烈な暑さに向けてコンディションを万全に整えている最中です。まるで砂漠を渡るキャラヴァンが念入りな支度をするようです。
この土地の夏は、人間にはとても耐えられない暑さが続きます。そんな炎天下で栽培家たちは、なんとか日陰を探しながら毎日畑作業を行います。幸運にも6月27日に30 mmの降雨があったおかげで、開花後にはブドウの果実がよく発育しました。
ブドウの木の先端に若い芽が控えめに、しかし生き生きと成長を遂げています!
開花状況は昨年より良く、不結実に陥った木はほとんど見られませんでした。今年のブドウの木は、果房のつき方を自然に調整できています。これはブドウ本来の生物学的な働きのおかげです。ブドウの実ひとつひとつが健やかに、そしてのびのびと生長しています。これまでのところ、全て順です。
by フローレンス/ドメーヌ・ラ・トゥール・ボワゼ