マンフレッドは何故毎年様々な新しい試みをするかと言うことについて次のように語っています。
昔ワイン造りを始めた頃、ロバート・パーカーが当ワイナリーを訪問した時彼は私のワインが好きだと言い
『成功した後にもこのスタイルを維持できるかどうか楽しみにしている』
と言いました。
なぜなら成功すると失う事も多くなるのでリスキーな行動を避けるようになるからです。
その時はパーカーの言葉を不思議に思いましたが最近中国の荘子の書を読みパーカーの言葉を思い出しました。
「以瓦注者巧、以鈎注者憚、以黄金注者昏。
其巧一也、而有所矜。則重外也。凡外重者内拙。」『荘子』達生第十九
『弓で賭け事をやるとき、ガラクタを賭けているならば上手く当たり帯鉤を賭けていると当たりにくくなる。ましてや、黄金を賭けるとなると、周りすら見えなくなっているだろう。技量が同じであっても、賭けたものの価値に気を取られるからだ。外のことに気を取られて内のことが疎かになってしまうのだ。』
シネ・クア・ノンは我々の想像以上に成功しました。
しかし今でも我々のモチベージョンは「勝つ」事よりも「矢を射る」事なのです。
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