「7歳のとき、近所の農場でワイン造りの作業を見て以来、ワインに興味をもってきました。14歳でワイナリーの手伝いを始め、気づくとローズマウント社とサウスコープ・ワイン社の醸造責任のトップでした。大きくなってしまった会社では思い通りのワインを造ることはできず、私は会社を去る決心をしました。そして、初心に帰ってワイン造りをするために立ち上げたのがキュムラス社です。私が選りすぐったスタッフは現在20名以下。まさに少数精鋭のワイナリーです。
キュムラスは、オレンジ地区の偉大な葡萄の特徴を引き出した、偉大なワインを造ります。それは、10年以上の熟成に耐えるタンニンを持ちながらも、すぐに飲むことの出来る、そんな深みや複雑な味わいを持ったワインです。2005年はまだ冒険の始まり。これから、もっともっと特徴のある素晴らしいワインが生まれますので、我々のチャレンジに期待していてください」
■再スタートの地は、オレンジです
「初心に戻ってワイン造りをスタートさせるために選んだ地はオレンジです。オーストラリア・ニューサウスウェルズ州にあり、シドニーの約200km西方に位置する地区です。海抜600から1100メートルと高度が高いのが特徴で、冬は平均マイナス6℃、夏は30℃前後と寒暖の差があります。豊富な日照時間がありながら、雲の多い冷涼な面も持ち合わせ、年間700mlの雨が降ります。さらに、地下500メートルまでが石灰石です。これらの条件により、品種の特徴が現われた葡萄を作ることができます。そしてそれらの葡萄が、酸とタンニンを備えた最高品質のワインを生み出すのです。
私は、オレンジに出会うまでオーストラリア中の土地を見て周りました。ここは最高の場所です。キュムラスを設立するにあたっては、それまで一緒に仕事をしていたアメリカや南米のチームと組むこともできました。しかし、私が造りたかったのはヴィンテージの持てる素晴らしいオーストラリアワインだったのです。もうそれは、オレンジでしかあり得ませんでした」
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