カルミニャーノという土地は、ワイン造りに向いた特殊なクリマがあると分析されている。日中はすごく暑くなるが、、夜は気温が下がる。(中略)昼夜の気温の差が大きいとブドウの熟成が進みやすい。またわずか70kmのところにアペニン山脈の高い山があり、それが夏時々雨を降らせ、ブドウに適度な水分を与える。こうしたミクロ・クリマが、古くからカルミニャーノのワインを支えてきた。(中略)
カリミニャーノの最大の特徴は、そのセパージュにある。トスカーナの代表的産地でもあり、もちろんサンジュベーゼが中心になるのだが、カベルネ・ソーヴィニォンのブレンドが義務づけられている。のである。サンジョヴェーゼ+カベルネといえば、いまトスカーナで大流行のブレンドだが、カルミニャーのでのカベルネの使用は、昨日・今日はじまったものではない。1533年にカテリーナ・メデチがフランスのアンリ2世のところに嫁いだ当時の、フランスとトスカーナの交流の中でもたらされたものである。カルミニャーノは、そのカベルネが早くから根付いた地域であり、その歴史から、カルミニャーノにはカベルネが入らねばならないのである。
カベルネのように栽培しやすいブドウは、いまたイタリア中で育てられ、その土地土地で異なった個性が現れている。同じトスカーナでも、キャンティ地区のカベルネは力強く出るが、カルミニャーノでは強さより柔らかさを持ち、サンジョヴェーゼとハーモニーを奏でるといわれている。とくにカペッツァーナのワインにはそれが顕著に表れる。(ワイン王国No16より抜粋)
*【そのカベルネ】:この時代には、まだカベルネソーヴィニォンはなかったので、多分、カベルネ・フランか、または他のカベルネと呼ばれていた品種とおもわれます。