ギリシャのワイン

ギリシャがオリンピック発祥の地であることは有名ですが、ワイン産地としても非常に長い歴史を持っています。ヨーロッパのワイン造りは7000年以上の長い歴史がありますが、その起源はギリシャにあるといわれ、ギリシャ北部マケドニアでは、7000年前 --つまりブドウ栽培の始まる以前からワインが造られていました。

現代のワイン醸造の土台を造ったギリシャ人は、その後 紀元前600年にマルセイユに上陸し、フランスで最初のワインを造ったといわれています。最近では近代的な醸造技術を取り入れた新しいスタイルのワインが誕生し、注目を集めています。

■ ギリシャワインの生産地域
◆テッサリア(オレンジ)&イピロス(黄)&イオニア諸島(紫)Thessaly & Ipiros & Ionian Island

■テッサリア地域
テッサリアの平地は山に囲まれ、海からもそう遠くなく、ブドウ栽培に適しています。3種類のO.P.A.Pワインが生産されます。
オリンポス山の南東側の麓、テムピ平地の南の海抜300〜500mの場所でラプサニの赤O.P.A.Pが生産されます。
少し南に下がったアグラファの標高250mから600mの場所では、赤・辛口のラプサニPO.P.A.P。海に近いアンヒアロス地域では辛口の白ワイン、アンピアロスO.P.A.Pを生産しています。
テッサリアのワインは、白・ロゼ・赤全てロディティス種、サヴァティアーノ種と地元で用いられる品種のコンビネーションです。ラプサニのクラニア町では、カベルネソーヴィニォン種とメルロ種を使って特別な地元ワインを造っています。
 
■イピロス地域
過去の戦争と移民流出で痛手を負ったイピロスが、高地で今でも少量ながらワインを生産しているのは、地元の農民にとってありがたいことです。特有の天候と白・デビナ種の完璧な環境への順応が、白の軽いスパークリングワイン、ジツァO.P.A.Pを造ります。ステルワインのジツァO.P.A.Pは、トルコ支配時代にバイロン卿にふるまわれたことにより、その名が知られるようになりました。海抜の高いヒンドス山のスロープにカベルネソーヴィニォンが栽培され、有名なヴァン・ド・ペイ、メツォヴォが造られています。
 
■イオニア諸島
イオニア海の島々で最も重要なのは、ケフェロニアです。山の多いこの地方で栽培されているのはロボラ種で、ロボラ・オブ・ケフェロニアO.P.A.Pが生産されます。また、ホワイト・マスカット種とマヴロダフニ種から甘口のO.P.E.ワイン、マスカット・オブ・ケフェロニアO.P.E.、マヴロダフニ・オブ・ケフェロニアO.P.E.が生産されています。さらに、ローカルワインとしてメタクサティス、アイノスなどがあります。ザキンソス島では、伝統のあるテーブルワインとしてヴェルデアが生産されています。

北エーゲ諸島 エヴィア島 アッテカ(アテネ) イオニア諸島 キクラデス諸島 ドデカネーゼ諸島 クレタ島 ハルクデキ半島 トラキア イピロス テッサリア 中央ギリシャ ペロポンネソス半島 マケドニア

 

テッサリア(オレンジ)
イピロス(イエロー)
イオニア諸島(濃紫)
オリンポス山2910m クラニャ ラプサニ ティルナヴォス アンヒアロス ピンドス山2633m メツォヴォ ジツァ ザキントス島 ケファロニア島 ケルキラ島
●栽培地域 ■山
(マウスポイントで地域名を表示)

◆主に栽培されているブドウ品種◆

テッサリア地域:バティキ種、クラサト種、スタヴロト種、クシノマヴロ種
イピロス地域:デビナ種、アギオルギティコ種、カベルネソーヴィニォン種
イオニア諸島:ロボラ種、マブロダフニ種、ホワイト・マスカット種

 

カテゴリー

タイプ

名前或いは地名

品 種

テッサリア ThessaliaのO.P.A.P

O.P.A.P

白・辛口、
やや辛口、やや甘口

アンヒアロス

ロディティス種50%、サヴァティアノ種50%

O.P.A.P

赤・辛口

メセニコラ

メセニコラ・ブラック種、カリニャン種、シラー種

O.P.A.P

赤・辛口

ラプサニ

クシノマヴロ種80%、クラッサート種、スタヴロト種

イピロス Ipirus の O.P.A.P

O.P.A.P

白・辛口

ジツァ

デビーナ種

O.P.A.P
Sparkling

白・やや辛口、
白・やや甘口

ジツァ

デビーナ種

イオニア諸島 Ionian Island の O.P.E と O.P.A.P

O.P.E

赤・甘口

マヴロダフニ・ケフェロニア

マヴロダフニ種、コリント・ブラック種

O.P.E

白・甘口(4種類)

マスカット・ケフェロニア

ホワイト・マスカット種

P.P.A.P

白・辛口、

ロボラ・ド・ケフェロニア

ロボラ種

テッサリアのトピコス・イノス
(テッサリアのヴァン・ド・ペイ)

名 前

タイプ

ぶどう品種

テッサリコス

赤白・辛口、
やや辛口
やや甘口

この地域で生産された全てのぶどうから

クラニャス

白・辛口

シャルドネ種

赤・辛口

カベルネソーヴィニォン種、メルロ種

白・辛口

ロディティス種60%、バティキ種40%

ティルナヴス

赤・辛口

カベルネソーヴィニォン種を最低60%

イピロスのトピコス・イノス
(イピロスのヴァン・ド・ペイ)

イオアニア

白・辛口、
やや辛口、

最低60%がデビナ種、残りは他の地域品種

白・辛口
Sparkling
Semi-Sparkling

ロゼ・辛口、
やや辛口

最低50%がヴラヒコ種とベカリ種、残りは他の地域品種

ロゼ・辛口、
やや辛口、
Semi-Sparkling

赤・辛口

最低40%がカベルネソーヴィニォン種、残りは他の地域品種

イピロス

白・辛口、
やや辛口、
やや甘口

この地域で生産された全てのぶどうから

メツォヴォ

赤・辛口

最低60%がカベルネソーヴィニォン種、残りは他の地域品種

ギリシャワインのカテゴリー
参考文献:フォティス・ジョリス著「ギリシャワイン」/飛鳥出版