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TOPIX

「ポルトガル赤ワイン試飲セミナー」
参加レポート

主催:ICEPポルトガル投資・観光・貿易振興庁
協力: グループ・ヴィノテーク
1999/02/15
恵比寿、ウエスティングホテル東京


ICEP主催のワインセミナーに参加しました。昨年の3回のセミナーに続いて4回目の参加です。その結果、ワインの感想などを記してみました。
このテースティングのポイントは2つです。一つはポルトガル北部と南部の産地の味のスタイルの違い。もう一つは単一品種ワインと複数品種ブレンドワインの違い。どちらも比較試飲だからできるレースティングです。

@〜Cはソグラペ社のワイン(日本の代理店サントリー)で、D〜Gはジョアン・ポルトガル・ラモス社(未輸入)のワインです。ワインのスタイルを結論から言えばダンとドウロの北部の産地のワインはかなり洗練された感じで、フランスにあてはめるとボルドー&ブルゴーニュ。一方南部のワインはコート・デュ・ローヌ南部やラングドックのような土味を感じさせます。
また、単一品種醸造ワイン・複数品種醸造ワインを比べると、まだ飲み頃に至らないワインでも、前者のほうが華やかで、わかりやすく、逆に後者は今はまだその実力を発揮できてはいないが、長い熟成後の楽しみを閉じ込めているようです。

 

北部ポルトガル( ダンとドウロ )の赤ワイン 1996 の試飲

@
キンタ・ドス・カルヴァリャイス
トウリガ・ナシオナル(ダン)
Quinta dos Carvalhais. Touriga Nacional

alc12.7%、225リットルのオーク樽で12ヶ月熟成。トウリガ・ナシオナル種100%
濃く、きれいなルビー色。熟したプラム、ベリーや、ロズマリー、バジルの香り。杉など木の香りも。しっかりした酸とタンニン。まだ若く強すぎる。しかし単一品種のエレガントさがある。
LifeSpan:4年目頃から飲め、15〜20年がピーク。

A
キンタ・ドス・カルヴァリャイス、リゼルバ(ダン)
Quinta dos Carvalhais. Reserva

alc12.5%、225リットルのオーク樽で12ヶ月熟成。トウリガ・ナシオナル55%、アルフロシェイロ・プレト18%、ティンタ・ロリス17%
濃いルビー色。濃密な果実の甘さ、白樺・皮などの野生と複雑な香り。タンニンが多いが甘味・酸味もしっかり、樽を感じさせながら、フルーティ。
LifeSpan:5年目頃から飲め、15〜20がピーク。50年は熟成可能。

B
キンタ・ダ・レダ、トウリガ・ナシオナル(ドウロ)
Quinta da Leda, Touriga Nacional

alc.12.1%、270リットルのオークの新樽で1年熟成。トウリガ・ナシオナル100%。
前の2つのダンよりさらに濃い紫色。熟したプラム・いちじく、落ち着いたバニラ香、皮やトーストの香りもある。渋味・タンニンが歯茎にアタック。華やかさもあり、余韻が長い。
LifeSpan:4〜5年から飲め、10〜20がベスト。

C
ドウロ・エスペシアル【バルカ・ヴェーリャ】(ドウロ)
Douro Especial【 Barca Velha 】

 

『バルカ・ヴェーリャ』の詳しい解説

alc12.6%、270リットルの新樽で1年から1年半熟成。ティンタ・ロリス50%、トウリガ・ナシオナル、トウリガ・フランセーザ、ティンタ・バロッカ、ティンタ・アマレラ。
紫に更に紫を重ねた濃い色。ダーク・チェリー、プラム、木・皮の香り。複数の品種のブレンドにより複雑性が増している。アフター・テイストは非常に長い。この「バルカ・ベーリャ」は10年に3回ほどしかできないそうです。
LifeSpan:7年頃から飲め、20〜30年頃がピーク。50年以上OK

D
タマラ・スペシャル・セレクション1998
Tamara Special Selection(樽熟成中のサンプル)
(リバティージョ)

トリンカディラ40%、ティンタ・ロリス30%、トウリガ・ナシオナル30%。フランス産新樽熟成。
'98で、まだ瓶詰前のワイン。
濃い紫。ブドウジュースに楢の木やキノコ・香草などの香り。酸はまるみがあり、土をこねた味、タンニンが非常に強い。
LifeSpan:5年目頃から飲め割合早く飲み頃になりそう。

E
ジョアン・ポルトガル・ラモス・アラゴネス1997
Joan Portugal Ramos Aragones
( アレンティージョ )

アラゴネス種、新樽熟成。
ルビー色がきれい。果実香が高く、皮・杉や松の木、オイルっぽい香りもある。酸は、はっきりして、青々しい。タンニンも十分で、さらに土の味。
LifeSpan:4〜5年で香りの特徴がはっきりし、10年目以降がペター。

F
ジョアン・ポルトガル・ラモス・トリンカデイラ1997
Joan Portugal Ramos Trincadeira
( アレンティージョ )

トリンカデイラ種100%、新樽熟成。
色濃く、香りはベリー系の華やかなトップ。次に杉など木や、泥をこねた香り。口の中では果実の素直さをまず感じますが、タンニンは強力。若すぎる。
LifeSpan:5〜6年でおいしくなりそうですが、10年め以降20年が熟成の目安でしょう。

G
マルケス・デ・ボルバ、リゼルバ1997
Marques de Borba.Reserva
(アレンティージョ)

トリンカディラ、ペリキータ、アラゴネス、アリカンテ・ブシェ、カベルネ・ソーヴィニォン。新樽熟成。
この8種類の中では一番濃い色。土や木、干した果物の香り。フレッシュな酸の香りも十分。タンニンのボリュームがすごい。しかし、まるみがあり、なめらかな口あたり。
LifeSpan:かなり長い時間が必要。20年か30年か?


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