<毎年変わるワインとラベル>
Sine Qua
Nonは毎年ラベルを変えております。
この事について、オーナーのマンフレッド・クランクルはこう語ります。
ワイナリーを立ち上げた90年代前半の当時はワインのエチケットはほとんど似たような感じでした。偽物のシャトー(フランスでも珍しい本物の城がカリフォルニアにあるわけがありません)がヨーロッパ風に、家紋まで付けられて印刷されていました。
私はこのようなフランスを模倣しただけの、アメリカらしさのないエチケットを嫌い自身の哲学に沿ったワインを造るのと同時に、エチケットもその哲学に合わせようと思いました。
更にエチケットのデザインだけでなく、ワインの名前も毎年変えることにしました。
つまらなかったワインのエチケットに革命を起こせたことを誇りに思っています。
【 生産者コメント 】
この年、私の愛する妻が健康を害しました。医師の言葉を聞いた”瞬間”に、まるで世界が逆さまになったように感じられました。
その”瞬間”は不意に訪れ、焦りや震え、ショックをもたらします。おそらく、人には自分の気持を集中させるためにショックなことも必要なのでしょう。
その時は、困難に立ち向かい、理解しなくてはならない苦難の時なのです。
逆に、喜びの”瞬間”もたくさんあります。
子供が生まれた”瞬間”や、妻との愛を確かめる”瞬間”
何年も手探りで子育てし、息子が「大きくなったらお父さんのようになりたい」と言った”瞬間”だったりします。それらは、非常にネガティブな時をポジティブに変えることができます。
その”瞬間”は平凡な感情に光を注いでくれるように思います。
今では妻と私は前より更に仲良くなり、色々なことを一緒にするようになりました。
そんな2011年の白ワインには「The
Moment」(瞬間)と名づけました。