テヌータ・マルシリアーナ:
何世紀もの間、マレンマ地区はワインにとって開拓不可能な湿地帯だと考えられてきました。しかし、リカソリ男爵以後にもっともこの地区のワインに衝撃を与えたサッシカイヤの登場により状況は急激に変化し、アンティノーリ、オルネッライア、そしてアンジェロ・ガイヤも参入する高騰イタリアで1番の激戦区となりました。
長い伝統とトスカーナで最高の位を所有する一族レ・コルティ=コルシーニ伯爵家は、トスカーナで知らない人はいないといっても過言ではないありません。同家皇子ドッチョ・コルシーニ氏は毎年5月にサン・カッシャーノのエステイトでワインフェスティヴェル「コルテ・デル・ヴィーノ」を主催しています。「コルテ・デル・ヴィーノ」はトスカーナ最良のワイナリーのみが出展し、そこに参加できるだけで名誉とされています。現在では世界でもっとも重要なワインのイベントとしても注目を集めています。
コルシーニ家はこのマレンマ地区に2500ヘクタールもの土地を所有しています。さすがは最高貴族。規模が違います。それだけの土地があれば、莫大な面積のブドウ畑をもつことができるところですが、オーナー;ドッチョ・コルシーニ氏はそのうち最良の条件をもつ18ヘクタールのみをプレミアムワイン用の畑とし、後は野生のイノシシ、鹿、鳥などの生息地、そして家族の憩いの場として残すことにしました。
その最高の条件の畑でつくられるのが、この「マルシリアーナ」。名匠カルロ・フェリーニ率いる精鋭醸造チームがこのテロワール独自の味わいをもつワインをつくるため、あらゆる葡萄品種の栽培、醸造研究を重ねながらつくりあげたワインです。しかしストーリーは今始まったばかり。オーナードッチョ皇子と、醸造チームが目指すのは単にワールドワイドクラスのワインをつくることにとどまらず、ワインのエチケットを毎年変化させるなどワインを通してマルシリアーナの存在を表現することにも挑戦しています。
ファースト・ヴィンテージの2000年は、「La Partenza 旅立ち」と名付けられました。ラベルのポートレイトは、コルシーニ家が代々受け継いできたものを使っています。ロイヤルコペンハーゲンのプレイトが何十年も人々の心をかきたてるようにマルシリアーナのストーリーも見守ってくれることを期待したいワインです。
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