Wine List 【 F-7030 】

アンリ・マリオネ<世界初の挑戦>
同じ品種、同じクーロン、同じ気候、同じ土壌
同じ収穫日、同じ醸造法で、どちらも<接ぎ木>なし
<160年のワイン>と唯一樹齢のみが違う
樹齢11年のロモランタン
La Pucelle de Romorantin

ラ・ピュセル・ド・ロモランタンは,プロヴィニャージュのブドウ樹から取り木(プロヴィニャージュ)をして,2007年に隣の区画に台木なしで植樹された区画に由来。
2010年に初めて収穫したブドウから造られた<プロヴィニャージュの孫>と呼べるキュヴェ。
ピュセルとはフランス語で「未開拓」を意味する。ラ・ピュセル・ド・ロモランタンは,フィロキセラなどに侵されていない未開拓の土壌に,アメリカ産の台木なしで植樹された,まさに純潔なブドウ樹であることからこう命名された。


樹齢160年のプロヴィニャージュ

ドメーヌ・ド・ラ・シャルモワーズ
(アンリ・マリオネ)
“ラ・ピュセル・デュ・ロモランタン”
ヴァン・ド・ペイ・デュ・ロワール・エ・シュール 白

Domaine de la Charmoise (Henry Marionnet)
"La Pucelle de Romorantin"
2018
Vin de Pays du Loire et Cher


産地 : フランス、ロワール地方、Vdpロワール・エ・シェール
生産者 : Dm.ド・ラ・シャルモワーズ(アンリ&ジャン・セバスチャン マリオネ)
品種 : ロモランタン種
植樹面積 : 0.25ha
植樹年 : 2007年
年生産量 : 2010Vntは1,400本
醸造・熟成 : 温度管理されたセメントタンクで21日間発酵。オーク樽(50%が新樽)で15−18ヶ月熟成
アルコール度 : 12.0%
容量 : 750ml
タイプ : 白ワイン。 やや辛口
標準小売価格 : 

マリオネがリリースした新キュヴェ<ピュセル・ド・ロモランタン>の発売に合わせ,プロヴィニャージュとの比較試飲会が2011年3月17日,60人以上のジャーナリストを招き,パリの歴史的カフェ<ラ・クーポール>で行われた。熟成させた古酒のプロヴィニャージュも振舞われたこの試飲会は大盛況のうちに終了したが,その後,アンリ・マリオネのピュセル・ド・ロモランタンとプロヴィニャージュに関する記事がフランスのクオリティ・ペーパー<ル・モンド>に大々的に掲載された。
記事の中では,DRCのオベール・ド・ヴィレーヌのコメントも引用され,改めてマリオネの所有するプレ・フィロキセラの葡萄畑の偉大さが語られた。
今年もこの2種類のキュヴェは同じ栽培法,同じ収穫日,同じ醸造法で造られ,同じ日に瓶詰めされました。比較試飲は大変興味深いものです。

*アンリ・マリオネによるコメント
 ご存知のように,私は樹齢155年を超えるプレ・フィロキセラのブドウ樹を栽培するチャンスに恵まれました。偶然にも,この区画の隣にまったく使われていない土地があったのですが,プロヴィニャージュの区画を管理するようになってから,ある時,1つのアイディアが浮かんだのです。それは,この未開拓の土地に樹齢155年を超えるプレ・フィロキセラのブドウ樹の枝から取り木をして,新しくブドウ樹を植樹するという計画でした。もちろん,プレ・フィロキセラ以前のブドウ樹がそうであったように,台木を使わずに接木なしで植樹をするという挑戦です。
実際に植樹を行ったのは2007年。そして,2010年,この若木のブドウから初めてブドウが収穫されたのです。この結果,同じ品種の同じクローン,どちらも接木なしで,同じ気候,同じ土壌で栽培され,同じ日に収穫され,同じ方法で醸造された<樹齢160年のワイン>と<樹齢3年のワイン>の2種類が誕生し,2つを比較試飲できるという,おそらく世界で初めての機会が訪れたのです。

 

アンリ・マリオネの解説によるプレ・フィロキセラの葡萄樹の発見とプロヴィニャージュ誕生の経緯

1998年3月、私のドメーヌの近くに住む老人が私を訪ねてきました。彼は葡萄栽培から引退するため、自身の4.5ヘクタールの畑を私に引き継いでもらえないかと会いに来たのです。信じられないことにその畑の中心部に、非常に古い区画が存在したのです。言い伝えによれば1850年頃に植樹されたロモランタン品種の区画とのことでした。ロモランタン品種は、1519年にフランソワ1世によってこの地方にもたらされた著名な品種で、現在はクール・シュヴェルニィのアペラシヨン(AOC)でわずかに栽培されています。
この年老いた造り手の言う事を確かめるために、私はアンジェ市のONIVINS(全仏ワイン協会)の元鑑定人で、ロワールの葡萄畑や苗木の検察官であるギヨ氏を呼びました。彼は大変驚き、切り株を2本、世界で最も偉大な葡萄学者であるモンペリエ大学のブバル教授に送りました。二人とも植樹された正確な年には言及しませんでしたが、葡萄樹がフィロキセラ禍に遭う前の葡萄樹で、1870年以前に植えられたものであることに間違いないことを確証してくれたのです。つまり接ぎ木されていないこの区画は19世紀後半にフランスのすべての葡萄畑を荒廃させたフィロキセラの害から免れたのです。葡萄樹は現在も素晴らしい状態にあり、おそらくフランスで最も古いとされる2、3の葡萄樹の1つであることに間違いはありません。
こうして、1998年の秋、私はこの葡萄樹から初めての収穫をしました。0.36ヘクタールの区画から凡そ750リットル、900本をボトリングし、この稀有なキュヴェを”プロヴィニャージュ”と命名しました。なぜならフィロキセラ以前には、プロヴィニャージュは葡萄樹を増やし、欠陥のある株を取り替える方法だったからです。この技術は、ガーデニングで使われている取り木の技術と比較することができます。フィロキセラの発生以前は葡萄樹にも可能な技術だったのです。
私が想像した通り、出来あがったワインはこの地方で味わえる通常のロモランタンとは全く異なる性格を持ち合わせるものでした。プロヴィニャージュは、味わいがより豊満で肉付きがよく、ハチミツやノワゼット(はしばみ)のアロマを持ち合わせています。ロモランタン品種から生まれるワインは、通常酸味が非常に高いのですが、プロヴィニャージュにおいては、それがワインの豊満な味わいによってかき消されています。ハーモニーは完璧ですが、味わうにはもう少し待った方がいいのではないかと思われます。いずれにしても、このワインはむしろ伝統的な熟成タイプのワインのように思われますが、酸味は少なく感じられ、すでに十分に印象的な魅力があります。
このワインはロワール河や周辺の支流で獲れる魚を用いた料理に最適です。もしくは、モリーユ茸をふんだんに使ったクリーム仕立ての鶏肉に合わせても宜しいかと思います。また、お肉でしたら白身肉に、アスパラガスの料理とも素晴らしいハーモニーを奏でることでしょう。サヴォワ地方やスイスのハード・タイプのチーズもお勧めです。
私はこのワインを、人類の遺産の中の保護された宝物であると思っています。ある種の感慨を感じることなくこのワインを味わうことはできません。とりわけルイ・フィリップ(フランス王。在位:1830〜1848年)と同時代にこの葡萄樹が植樹されたことに思いを馳せるとなおさらです。


プレ・フィロキセラのロモランタン種の葡萄樹の前でアンリ・マリオネ

 

 

 プロヴィニャージュに関する各誌のコメント: 

ワイン・アドヴォケイトNo.145掲載の2000ヴィンテージについてのロバート・パーカーのコメント
以前にも記述した通り、マリオネのプロヴィニャージュは、今から約160年前のプレ・フィロキセラのロモランタン種の葡萄樹から造られたもので、このワインについて述べるためには、オーバーなくらい沢山の空気に触れさせる必要がある。案の定、2000ヴィンテージも相当量の空気を取り入てやっと開いた。私がこのワインに期待していた通りのレッド・ベリー(主にラズベリーや赤スグリ)のアロマと、傑出した力強さ、深み、余韻の長さが表れてきた。このミディアム・ボディのワインの特徴は、終始レッド・フルーツだと言えよう。飲み頃は2004年〜2014年。   91+ポイント
 
1998ヴィンテージのロバート・パーカーのコメント
プロヴィニャージュ。この麦藁色のワインは人々の知的好奇心を魅了するワインである。珍しいロモランタン品種で造られたこのワインの葡萄樹は、その起源を19世紀にまで遡る。フランス最古の2つの葡萄畑のうちの1つ(もう1つはシャンパーニュのボランジェが所有するヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズと呼ばれる著名な区画)で、20世紀初めのフィロキセラ禍を免れたフランスでも数少ない葡萄畑である。
このワインは空気に触れることでドラマティックに向上する。私は4時間にわたってこの輝くように澄んだワインの空気による変化を観察した。はじめは新鮮なマンゴーやスイカズラ、フルーツ・キャンディーのアロマがグラスから飛び出してくる。しかし、その香りは、空気に触れることで、生き生きさを保ったまま、ラズベリーの香りへと変化していった。味わいはライトからミディアムのボディー、サテンのようなテクスチャー、そして力強い。中心となっているラズベリーの豊満な味わいが、貝殻やヨード、鉱物質の味わいと混ざり合っている。複雑で深みがあり、ずば抜けて長い余韻。まさに傑出したワインである。僅か4時間でもその片鱗を見せてくれたが、セラーで寝かせることでさらに良くなることは間違いない。好奇心の強いワイン愛好者ならば、世界中で大きな関心を集めているこのプロヴィニャージュを、ぜひとも1本かそれ以上は手に入れるべきだろう。    91+ポイント
 
『ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス』誌のコメント
緑色の反射に飾られた透明なローブ。なによりもまず、ワインのボディーと粘性に驚かされる。アンリ・マリオネは「この粘性こそ、接ぎ木をしない葡萄樹に由来するワインに見られる粘性」と言う。非常に香り高い花の香り。酸味は完全に同化している。完璧なバランスで、果物や花のアロマの余韻が長く続く。しっかりとした構成でこのうえなく心地よいワイン。まちがいなく長命なワインである。
 
『ル・フィガロ』紙のコメント
ヘーゼルナッツ、アーモンド、白い花などに印象付けられた軽やかな香り。すばらしい酸に支えられた蜂蜜や生き生きとした感覚が口中に広がる。フィニッシュでは、この品種にしては異例とも言える粘性が広がりまさに絶頂へと達する。ブール・ブラン・ソースの料理や若鶏のクリーム煮に良く合うことだろう。

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