ロジャーグラートのセラーは、カタルーニャ・モデルニスモ後期の建築スタイルを誇る建物で、この様式特有の美しさを賛えています。モデルニスモは19世紀末から20世紀初頭にかけて、カタルーニャに起こった芸術運動で、その範囲は工芸からガウディの建築作品、絵画から彫刻、そして文学作品に至るまで幅広い分野に亘り、様々な展開を見せ、優雅な装飾様式を生み出しました。多くの人々に愛されたこの美術様式は、単なる芸術様式にとどまらず、一種の生活スタイルともで言える程までにカタルーニャ文化の中に浸透したのです。また、このスペインの美術的流れは、モダンスタイル、アールヌーボー等、同時代に起こったヨーロッパ諸国の表現様式とも平行しています。どこかエキゾチックな雰囲気を持ったこのセラーや庭園などは、ここを訪れる人々に解放されています。
100年もの間、選びぬかれた何千本ものボトルが眠る、この地中深くのセラーは複雑な構造を持ち、まるで地球内部を走るめぐる動脈にでも入り込んだような神秘的な錯覚をおこさせます。
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