なぜ
四半世紀も貯蔵を?
今は故人でありますが、広島の長くのお得意先の大先輩の趣向から、醉心を10年手元において貯蔵したところ、何とも言えない優雅な味わいになったと教わりました。
その言を信じ、各年1タンクづつ大切に貯蔵して参り、最古参が四半世紀となりました。
長期貯蔵は多く方に好まれないようですが、そのような日本酒の良さも知っていただきたいとの蔵元の思いで、少しでもお求めやすくなるようリーズナブルな価格が実現しました。
酔心 山根本店
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蔵の創業は万延元年(1860)。明治中期まで20の銘柄を有していましたが、先々代がひとつにまとめ「醉心(よいごころ)」と命名。以後、大正時代に全国酒類品評会において三回連続第一位を獲得し協会3号酵母が発見されるなど有名になるに従い、一般に
"すいしん"
と呼ばれるようになりました。日本画の大家・横山大観が終生愛飲された酒としても有名です。昭和初期、大観と蔵元当主・山根薫は出会うなり意気投合し、酒造りの話を聞いた大観は『酒づくりも絵をかくのも芸術だ』と賞賛し、それに感動した蔵元は一生の飲み分を約束しました。以来、大観は毎年一枚ずつ蔵に作品を寄贈。それらの作品を集めた「大観記念館」は3年に1回、一般公開されています。
横山大観画伯が終生愛飲した「飲みあきしない酒」を念頭に置いて、自然の力を活かす酒造り。仕込み水にはブナの原生林が繁る広島県中央部の「鷹の巣山」山麓に湧く『稀にみる超軟水の名水』を使用。非常に困難を極める「軟水仕込み」を確立させました。《山田錦》や広島県特産の《千本錦》など酒造好適米をふんだんに使用し、麹については“突き破精”の麹づくりを伝統とし、低温で時間をかけてゆっくり発酵させることにより、すっきりとした中にもキメ細やかでふくよかな味に仕上げています。
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