夏に冷やして美味しい味わいの『夏の特別純米酒』のこだわりの造りについて、
蔵元 加藤嘉隆氏に伺いました。
暑い夏に楽しんでいただけるよう軽快な味わいに仕上げるため"大吟醸用"麹菌をごく少量散布することで"突き破精型"の麹米にし、雑味の少ないキレの良い味わいを目指しました。
原酒のアルコール度数は18%以上としっかりとアルコールが出ていながら、粕歩合は約48%となり、例年以上にしっかりとした旨味もさることながら、軽快さを引き出すことが出来ました。
(この粕歩合は今季の出品用大吟醸よりも多く、過去7年間の十水仕込みの中でも最高レベルです。)
お酒の魅力を最大限に引き出すため、上槽後、適度な生熟成をさせた後、生のまま瓶に詰め、その後1本ずつ丁寧に瓶火入れを行い、大山オリジナルの"トリプル水冷+ワン空冷"にて急冷を行いました。
このお酒は、通常よりも低いアルコール度数をコンセプトにし、低アルコールでもしっかりとした旨味が感じられるお酒をと、十水仕込みをベースとしています。十水の原酒のアルコール度数は18%以上ありますが、暑い時期にも軽快に飲め、尚且つお酒が本来持つ旨味が感じられる度数を見つけるため、0.5%刻みで加水したお酒を実際の製品と同様に生詰め→瓶火入れ→急冷を行った後、蔵内できき酒し、アルコール度数を決定しました。
初夏から盛夏にかけて旬を迎える「鰹」や「サザエ」、「イカ」などの魚介類を使った料理との相性抜群です。
特別純米生酒との違いは"出羽の里"と"はえぬき"という原料米の大きな違いがありますが、更に生酒は、時間の経過と共に"トロミ"と"甘み"が増し、艶やかになっていき、夏の特別純米は火入れ酒特有の"スッキリ感"がお楽しみいただけます。