WineList 【 i-3162】
フリウリの自然派ワインの造り手カンテ 人がカンテを評する時、様々な表現を用います。 曰く、「カルソのパイオニア」 曰く、「ヴィドヴスカの中興の祖」 曰く、「イタリアのコシュ・デュリ」 他にも「カリスマ」、「奇才」、「傾奇者」など。 しかし皆、口を揃えてコメントするのが、 「カルソのテロワールを的確に表現している」ということ。 分厚い岩盤をくりぬいた地下セラーや、同じくフリウリのトップ生産者であるラディコンと共同で開発した首の細い特注のワインボトルなど、一見奇抜に見える彼の行動は全て、 「この地のテロワールを最大限表現する」 という行動原理に基づいたもので、只々実直にこの地のテロワール、そして品種の個性をボトルの中に詰めることのみを突き詰めた結果なのです。
フリウリの自然派ワインの造り手カンテ
人がカンテを評する時、様々な表現を用います。 曰く、「カルソのパイオニア」 曰く、「ヴィドヴスカの中興の祖」 曰く、「イタリアのコシュ・デュリ」 他にも「カリスマ」、「奇才」、「傾奇者」など。 しかし皆、口を揃えてコメントするのが、 「カルソのテロワールを的確に表現している」ということ。 分厚い岩盤をくりぬいた地下セラーや、同じくフリウリのトップ生産者であるラディコンと共同で開発した首の細い特注のワインボトルなど、一見奇抜に見える彼の行動は全て、 「この地のテロワールを最大限表現する」 という行動原理に基づいたもので、只々実直にこの地のテロワール、そして品種の個性をボトルの中に詰めることのみを突き詰めた結果なのです。
現地イタリアのエノテカでもほとんど目にすることができず、ワインラヴァーが血眼になって探すという超希少な「セレツィオーネ」。
ワイン・アドヴォケイト#193・・・93pt 黒色果実やグリルしたハーブ、甘草、そしてテロワールを完全に表現した強烈な赤。素晴らしい豊かさと持続性。カンテが約20年前にこのようなワインを生み出していたことが素晴らしい。
イタリア最高の白ワインの造り手の一人とも称えられるカンテはトリエステの程近く、カルソに位置する生産者です。カンテの一族は1840年頃からこの地でワインを造っており、現在のオーナー、エディ・カンテ自身も、カルソのDOC認定の立役者で、カルソのコンソルツィオ(協会)の初代会長でもありました。 ローマ時代よりカルソのワインは重用されており、この地で造られたワインが薬として各地に広まり皆に親しまれておりました。 カルソは地理学用語で使われるカルスト(スロベニア語:クラス、イタリア語:カルソ)の語源となった地域で、その名の通り石灰質が豊富な土壌が特徴で、ボーラと呼ばれる北から吹く地方風と合わさり、この地独特のテロワールを形成しています。カルソの土地は地面のすぐ下に分厚い岩盤があり、土の少ない非常に痩せた土地のため、樹が大きくなりすぎず、自然と収量も落ちます。
所有する畑はイタリアに9ha、スロヴェニアに6haと、国をまたがって計15ha所有しております。尚、以前はカルソのコンソルツィオ会長だったカンテですが、DOCの枠組みに縛られずワイン造りを行いたいため、現在ほとんどのワインはIGT、またはVdTとしてリリースしております。
カンテが語られる際、必ず登場するのが、カルソの分厚い岩盤をくりぬいた地下15mのセラー。風の循環を良くするため丸いフロアになっております。階層により温度、湿度が違い、バリックは地下3階、大樽は地下2階、ステンレスタンクが地下1階と各層ごとにその役割がわかれております。温度管理機能付きのステンレスタンクでなくても、このセラーのお陰でタンク内を適切な温度で保てます。 カンテのワインは早くとも2年、物によって20年以上も熟成可能と言います。そのため複数のヴィンテージをストックしており、飲み頃になってから出荷する為、生産量は少量ながらも大きなセラーが必要となります。
2012年現在、ご紹介のこのワイン、テラーノのセレツィオーネライン"テラヌム"もこういったカンテのポリシーに則って、1991ヴィンテージが現行ヴィンテージとなっています。
各ガイドブック評価
ドゥエミラヴィーニ2012 カルソのワインのパイオニアといえば、それはこの地のカリスマ、エディ・カンテに間違いありません。ヴィドヴスカはこのエリアの象徴的存在で、テラーノは過去最高の出来。
ワイン&スピリッツ誌 2011年世界のトップ100ワイナリーに選出
アドリア海沿岸トリエステ周辺の山地で、カルソの土壌とボーラの風により極めて低い収量で、土着品種からヴィドヴスカ・セレツィオーネのようなシャープな酸とふくよかな果実味のワインを生産するワイナリー。
ワイン・アドヴォケイト#193 エディ・カンテはフリウリのスーパースターの一人だ。長年に渡り、彼は素晴らしい実績を築いてきた。
ワイン・アドヴォケイト#185 カンテはフリウリで最もユニークなワインの造り手の一人である。抜栓直後は少し内向的に感じられるが、空気に触れる事により美しく花開く。
ワイン・アドヴォケイト#179 カンテのワイナリーへの訪問は、今回のフリウリ訪問の最重要点だった。岩盤をくりぬいた地下室は温度や空気の循環など理想的なものだ。彼のワインには、「ぶっ飛んだ」という表現ですらまだ控えめな程に感動した。