ダミジャーナ(ガラス瓶)発酵・熟成
どこでも樽の横に必ず置かれているダミジャーナ。樽内のワインが蒸発してしまう分の補充用だが、このダミジャーナのワインの美味しさに驚いたのだそう。
『ダミジャーナは理想の容器だと思う。この丸い形は母親の子宮のようで、潮の満ち引きの影響を最も受けやすい形であり、ワインは熟成中に緩やかに撹拌される。香や余計な要素をワインに与えないことも重要』
発酵前期は酸素を必要とするのでプラスチック桶でガスを使うことなく、開放発酵。発酵後期はワインの風味に大きな影響を与えるデリケートな時期なので、ここでダミジャーナに移す。ゆっくりと発酵、熟成を続け、月が欠け始めた頃に澱引きし、アッサンブラージュ。
手作りビオディナミ調剤
全ての畑で薬剤は一切使用されない。使うのは自家製のビオディナミ調剤とコンポストのみ。
『各畑にビオディナミ調剤を混ぜ合わせる為の容器と雨水を貯めてある。その土地の活力を吸い上げる為に、その土地で、その土地に降った雨水を使って調剤を完成させる』
購入した調剤ではなく、自分達の経験に則って調剤を手作りし、自分達の手作業で畑に撒いていく。
そして、もう1つの挑戦がアメリカ産台木を使わないこと。自根の葡萄をマッサル・セレクションで保存。台木を使わずに、直接植え込み、栽培している。
『最初は深く耕すことで空気を入れる。蜜ロウで保護しながら、3つの芽を地表に、2つの芽を地表に出すように植える。6年経てばフィロキセラの心配もない』
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