ヴィリ・シェーファー家は1706年からワイン造りを行っていますが、その所有する畑はグラッハ村にドームプロブストとヒンメルライヒ、ヴェーレンの村にゾンネウーアの畑を所有していますが、3つの畑を合計してもわずか2.7haと極めて小規模な生産者のため、一般には全くといってよいほど無名です。しかし、この小規模ということは、畑から始まり瓶詰めまでのワイン造りの全行程に細心の注意を払うことができるのです。たとえば、樽から樽にワインを移す際に絶対に泡をたてるような乱暴な扱いをしないことなどはほんの一例なのですが、この真摯で完璧なまでの姿勢は、多くのワインライターが見逃すはずもなく、スチュワート・ピゴットを初め、パーカーにいたるまで最高の賛辞を贈っています。
しかしわずか2.7haの畑から生産されるワインの量は限られたもので、シェーファーさんの春からの仕事は「注文の振り分け」というように、常に品不足なのです。