Wine List 【 ge-08 】

世界遺産にも認定された醸造方法
クヴェヴリ醸造の伝統を継承する

「マカシヴィリ・ワイン・セラー」シリーズ

 

1982年設立のヴァジアニ・カンパニーは、ジョージア固有の伝統的なワイン造りを守り続けるワイナリーです。2012年にはジョージア最古のワイン産地カヘティ地区、テラヴィに近代的な醸造所を構えました。
カヘティ地区は多様な気候と肥沃な土壌が広がり、ブドウに特徴的なアロマと風味を与えることからジョージアで最も栽培面積の大きい重要なワイン産地となっています。
ヴァジアニ・カンパニーは、カヘティ地区において最先端の設備を誇る醸造所で、テロワールを見事に表現したワインを生み出し、国際舞台で高い評価を獲得してきました。
ヴァジアニの代表ブランドは、ジョージアで採掘される土で焼かれた大きな容器「クヴェヴリ」を地中に埋め、自然の力だけを利用して仕込まれる「マカシヴィリ・ワイン・セラー」シリーズです。世界最古のワイン産地(その歴史は8000年以上も前)として知られるコーカサス地方の小国ジョージアは、このクヴェヴリを使用したワイン醸造がユネスコ世界無形文化遺産にも登録されています。

マカシヴィリ・ワイン・セラーは、ヴァジアニ・ワイナリーの施設の中にある醸造所(マラニ)で古い歴史を誇ります。
その歴史は、15世紀後半のカヘティ地区の貴族マカシヴィリ家から始まりました。
そして、19世紀後半のジョージアでは貴族による様々なスタイルのワイン造りが花開きました。中でもクヴェヴリを使用したワイン造りに秀でた技術をみせたのが、ヴァジアニ・カンパニーの創設者の祖先でもある、マカシヴィリ王子です。
マカシヴィリ王子のワインは1888年から醸造され、その伝統と技術が今に伝えられています。
ヴァジアニ・カンパニーが所有する醸造施設は2012年に再建されましたが、以前のワイナリーは20世紀前半、旧ソビエトの共産党が誕生した後に建設されています
そして再建の際、この古いワイナリーの地中から200もの古いクヴェヴリが発見され、損傷の少ない40のクヴェヴリを再生利用することができました。これらクヴェヴリは120年以上も前に作られ、現代の物とは異なり、ヴァジアニが信じる蜜蝋無加工の大変貴重なものです。
マカシヴィリ・ワイン・セラー シリーズは、これら貴重なクヴェヴリを用い、ジョージアの固有品種"ルカツィテリ"、"サペラヴィ"、"キシィ"、"ムツヴァネ"、"ヒフヴィ"や国際ブドウも使用し醸造を行っています。そして、ジャパン・ワイン・チャレンジ2017年では最優秀ジョージア白ワイン賞「トロフィ」を受賞しました。その他、世界各国のコンペティションでも多くの賞を受賞してきました。

 


 

ヴァジアニ・カンパニー
マカシヴィリ・ワイン・セラー 2018 キシィ

Vaziani Company
Makashivili Wine Cellar 2018 Kisi


産地 : ジョージア(グルジア)、カヘティ地方
生産者:  ヴァジアニ・カンパニー
オーナー : イラクリ・イアシュヴィリ氏
品種: キシィ 100%
樹齢: 年
醸造: 醗酵:天然酵母で果皮ごとクヴェヴリ醗酵(マロラクティック醗酵)   熟成:果皮と共にクヴェヴリで6カ月 。
容量: 750ml
生産本数: 15,000本
アルコール度: 14.0%
タイプ: アンバーワイン、辛口
 : ビオロジック
2017vnt評価: 
サクラアワード 2019: ダブルゴールド & ダイヤモンドトロフィ
インターナショナル・ワイン・チャレンジ 2019: 金賞&95点

伝統的な土器「クヴェヴリ」で醸造さるアンバーワイン(オレンジワイン)。桃やアーモンドの香ばしいアロマと生姜のようなスパイシーな風味が伴う逞しくもアロマティックな味わいです。

 

ワイン醸造


マラニ(クヴェヴリを置く醸造所)内の様子

今日、多くの造り手が近代的なワイン造りを行い、ヨーロッパスタイルと呼ばれるワインが生まれていますが、カヘティ地区でのクヴェヴリ醸造は、同じくクヴェヴリを使用したワインを造るジョージアの別のワイン産地とも異なる独自性があります。この為、世界を見てもカヘティヤンワイン(カヘティ地区のワイン)と同じ方法で醸造されるワインはありません。

一般的な醸造はワイナリーにもよりますが、サツナヘリと呼ばれる容器の中で足によりワインを圧搾し、チャチャ(果皮、果肉、種、一部の茎)全てをブドウジュースと一緒にクヴェヴリの中へ移します。(最近では高度な圧搾機を用いるワイナリーも増えています)醗酵が始まると最初の10日間は一日4回ほど棒で中を浮上した果皮を突き下げ、醗酵期間中はずっと作業を続けます。通常20-25日ですが、長くなると40日にも及ぶ時があります。
醗酵が終わるとチャチャはクヴェヴリの下部に沈み、蓋をかぶせます。マロラクティック醗酵が終わった段階でクヴェヴリは完全に密封され、チャチャは天然の清澄剤の役目を果たしてくれます。この期間が長すぎてもチャチャがワインにとって好ましくない風味を生んでしまうので、この醸しの期間もとても重要です。
収穫の翌年、通常は3月から4月の初旬にかけて最初のラッキングが行われ、ワインとチャチャが分けられます。その後、更にクヴェヴリでの熟成を行う蔵や、樽に入れる蔵、ボトリングを行う蔵など、それぞれが理想とするワインのスタイルに合わせて熟成期間や手段が選択されます。
カヘティ地区原産のブドウはクヴェヴリ醸造、ヨーロピアン式の醸造どちらを採用しても、比較的抽出が強めに行われ、フェノール成分が豊富でタンニンが豊かなワインに仕上がり、香り豊かなワインとなります。

 

醗酵と醸し、熟成に使用されるクヴェヴリは、ジョージアの土を使いクヴェヴリ職人が窯で焼き上げた素焼きの壺です。古くは各地方にクヴェヴリを造る窯元がありましたが、時代の変化とともにその数は減り、現在では10社程に減ってしまいました。
全てが手作業で製作される事から時間と熟練の技術、経験が必要な職業です。
窯元では職人がジョージアで採掘された粘土を練り、高さ10cm程の帯状の塊を作り、下から順に積み上げるように重ねては休ませ、乾燥させ、また積み上げる、という地道な作業を数週間かけて行い、大きな卵を逆さにしたような形状の壺を製作します。
季節や湿度にもよりますが、完成した壺が高温で割れないように、1週間近く乾燥させ、数日から1週間かけて大きな窯で900-1200度の高温で焼き上げます。
焼きあがったクヴェヴリは割れないようにゆっくりと冷まされ、内部には蜜蝋をコーティングして密度を上げることでワインの流失を防ぎます。
更に外側には強度を高めるために石灰やセメントが塗られます。
ワインの蔵元によっては蜜蝋を好まない事から、あえて素焼きの物を購入する蔵もあります。
クヴェヴリのサイズは様々で、小さいものから人が中に十分入れる程の大きなものまで一般的に使われます。サイズにすると数百リットルから数トン程で、現在ではその顧客はジョージア国内に留まらず、ヨーロッパ各国、更には日本へも輸出されています。

 


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