WineList 【F-8945】   

 

「私はカトリーヌ・ロックをラングドック史上最高の醸造家の一人に数える。」
MW マスター・オブ・ワイン
Rosemary George ローズマリー・ジョージ

 

Hugh Johnson Vin 2016
三ッ星格付け : ドメーヌ・クロヴァロン、レ・ポマレード

 

 

 

 

カトリーヌ・ロック、 ドメーヌ・デ・クロヴァロン
レ・ポマレード 2014 
ペイ・デ・レロー 赤

Catherine Roque, Domaine de Clovallon
Les Pomaredes 2014
IGP pays de l'Herault


産地: フランス、ラングドック地方、I.G.P.ペイ・デ・レロー
生産者: カトリーヌ・ロック女史(ドメーヌ・クロヴァロン)
品種: ピノ・ノワール100%
収穫: 9月15日。
単位収穫量 : 10hl/ha
醸造 : 早朝に手摘みで収穫したブドウを畑と醸造所で各1 回ずつ選果。除梗せずに100%全房で発酵。ブドウに付着している野.酵.のみで、円錐形の木製の発酵槽で発酵させる。醸造中はSO2 も含めいかなるものも添加せずにナチュラルな醸造を行う。発酵温度は25〜28 度、発酵期間は約7 日間。その後、2 週間の果皮浸漬を施す。圧搾後、引き続き木製の円錐形のタンクでマロラクティック発酵と熟成。熟成中はバトナージュも澱引きを行わず、アッサンブラージュ後に無清澄で瓶詰め。熟成期間は25か月。
アルコール度 : 12.5%
容量 : 750ml
生産量 : 2,500本
タイプ : 赤ワイン、ミディアムボディ。15℃〜17度。Now〜2022
 :  ビオデナミ(デメテール認証)

1989 年に植樹された、標高300m、北向きの1.5 ヘクタールの単一区画「レ・ポマレード」に由来するピノ・ノワールのキュヴェ。

ルビーレットの色合い。焙煎や香辛料、チェリー、キルシュ、腐植土などの複雑な香り。口中はビロードのようで、レッド・フルーツやスグリの風味と微かな樽香のバランスが素晴らしい。ニュイを思わせる構造で、ビダーなミドル・パレットとスパイシーなフィニッシュが感じられる。

レ・ポマレードとは、19 世紀のラングドックに存在したロビン・フッドのようなアウトロー(法の保護外の者)的人物で、貴族の富を奪って貧しい人々を助ける義賊となって活躍した。このロビン・フッドの隠れ家が、この区画の中にあり、また、ピノを植樹した当時、ピノ・ノワールはヴァン・ド・ペイの指定品種に認定されていなかった、つまりアウトローであったため、キュヴェと区画の名前が「レ・ポマレード」と命名されました。

 

 


Alix アリックスがドメーヌに参画し
母と娘の二人三脚でドメーヌを運営

ドメーヌ・ド・クロヴァロンはCatherine Roque カトリーヌ・ロックによって1985 年に創設されました。建築家をしていたカトリーヌは、ラングドックのフォジェールの北隣の村Bedarieux ベタリューに畑付きの自宅を1985年に購入。独学でブドウ栽培とワイン造りを学びながらドメーヌの経営を始めました。
当時、畑にはアラモンといったラングドックの大量生産用のブドウが植えられていましたが、ドメーヌの畑は標高250.400 メートルの高地で、ラングドックでも冷涼なミクロクリマで、畑は北向きの緩やかな斜.に位置していました。このため、ドメーヌの畑には南仏の品種よりも、冷涼は気候の品種が向くと直感したカトリーヌは、1985 年にシャルドネを、1988 年にヴィオニエを、1989 年にはピノ・ノワ−ルというように、通常冷涼な気候で栽培される品種を次々に植樹していきました。ヴィオニエなどは、ドメーヌ・ジョルジュ・ヴェルネイの畑に出向き、穂木を譲り受けてドメーヌの畑に植樹するほどの情熱を傾けて栽培を始めました。

また、ピノ・ノワールに関しては、ラングドックで初めてピノ・ノワールが植樹したのが、ドメーヌ・ド・クロヴァロンでした。というのも、当時、まだピノ・ノワールはヴァン・ド・ペイ・ドックの指定品種に認定されていなかったのです。.身の畑におけるピノ・ノワールの可能性を信じたカトリーヌは、INAO に陳情などを働きかけ、最初は実験という名目で許可を得てピノ・ノワールを栽培していきました。その後、ドメーヌで栽培されたピノ・ノワールから造られたワインの品質の高さが認められたことによって、ピノ・ノワールはヴァン・ド・ペイ・ドックの品種として正式にINAO に認められるようになったのです。つまりカトリーヌは南仏のピノ・ノワールのパイオニアであり、母である存在なのです。

ドメーヌ・ド・クロヴァロンの栽培.積は現在11ha で赤ワイン用ブドウ2 品種、白ワイン用ブドウ8 品種が栽培されています。畑は品種毎11 区画に分かれ、1ha 超える区画はピノ・ノワールの2 区画とヴィオニエの1 区画のみで、その他は全て1ha 以下の小さな区画になっています。
ドメーヌのブドウ畑は北向きのすり鉢状になっています。ちょうど谷の出口に位置するため、標高1000mに達するMonts de L'Orb オルブ山と、Larzac ラルザック台地から冷たい空気が吹き付けてきます。また、畑の南には石灰岩の断崖があって、ブドウ畑を海からの暑い空気から遮断しています。こうして、北の品種に向いた冷涼なミクロクリマが形成されているのです。一方、この畑の南側にある石灰岩の断崖が巨大な貯水槽の役目も果たしているため、地中7.10mにある母岩の上を地下水が流れ、ブドウ木に安定的に水分が補給されます。ピノ・ノワールは特に水のストレスに非常に敏感であるため、栽培に最適な環境が揃っているというわけです。また、畑の地質は、この地域では珍しいマグネシウムが豊富なドロマイト石灰岩土壌の地層であるため、豊かなミネラルがワインに表現されることも大きな特徴です。

 

栽培について

ドメーヌでは設立当初よりビオロジックを実践していました。その後、2000年に完全なビオディナミへと移行し、全ての畑でビオディナミによるブドウ栽培を行い、現在ではドメーヌの全てのワインが厳格なデメテールの認証を受けています。植樹比率は1ha 当たり6000 本で、収量のコントロールは剪定段階で行っています。

剪定の際、極めて短小に剪定に行うことによって収量が増えないよう調整しています。通常、剪定がうまくいけば想定した収量に誘因できるため、基本的にグリーン・ハーヴェストは行いません。しかし、芽かきは、翌年の剪定をやり易くしてくれるため、実施しています。摘芯は行いませんが、「Tricotage トリコタージュ」という、ブルゴーニュのドメーヌ・ルロワでも行われてている方法が取られています。これは枝先を切らずに伸びた枝を巻きつけて編んでいく手法で、ブドウが色付きの段階で行っています。

除葉は基本的には行いませんが、9 月の段階でブドウの成熟が遅い場合は行っています。収量は品種や区画によって異なりますが、1ha 当たり25 ヘクトリットルを超えることはありません。畑の耕作は年2 回行います。冬場はつるはしを使って手作業で、もう一回はブドウの芽から綿毛が出た頃からブドウが結実する間の時期に馬を使って行ってています。耕作と同時に、ブドウ木と競合関係になってしまう不要な雑草を取り除いています。除草剤は一切使用していません。また、ヤギの糞を使った堆肥やビオディナミの調剤をコンポストとして畑に撒いています。

 

収穫と醸造について

収穫は昼の暑い時間帯を避け、早朝に?います。全て手摘みで行います。ブドウが潰れないように、収穫したブドウは小さなケースに入れて醸造所まで運ばれます。選果は収穫直後に畑で1 回、さらに醸造所に運んで醸造する前に1 回、合計2 回行われます。
醸造はブドウに付着している野生酵母のみで?い、他のいかなる添加物も加えません。
ピノ・ノワールのキュヴェは、除梗せずに全房で発酵を行います(キュヴェに応じて50%前後除梗する場合もある)。発酵はステンレスタンクもしくは円錐形の木製の発酵槽で行われます。発酵温度は25〜28 度の低温で?います。醸しに関しては、果汁を均質化するために発酵の最初の段階でポンピングオーバーを1 回のみ行います。

その後、アルコール発酵の期間中は1 日2〜3 回のデレスタージュを実施します。ピジャーュは頻繁には行わず、発酵の最終段階で1 日1 回の実施に留めます。発酵期間は5 日から7 日。キュヴェゾンの期間は約3〜4 週間です。圧搾後、バリック(マス・ダルゾンの白ワインの熟成に使用した1〜3 年樽)又は円錐形の木製タンクでマロラクティック発酵と熟成を行います。

ドメーヌでは、フレッシュ感とタンニンの繊細さ、ブドウに備わっている複雑な香りを引き出す醸造を行っています。過剰なアルコール度や力強さなどは追求していません。「素晴らしいワインとは、テロワールについて自然に語ってくれ、一口一口の味わいが感動を与えてくれるものである」とドメーヌでは考えています。


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