◆各書評◆
ワイン・アドヴォケイト
248(2020年5月1日)号』
2015年の収穫ブドウに由来(65%)。レモン・オイルや青りんご,柑橘類のコンフィやペストリー・クリーム,トーストしたアーモンドのアロマ。味わいはミディアムからフル・ボディ。リッチでテクスチャーがあり,芳醇でグルマンなワイン。熟れた酸にまみれていて,フルーツの官能の核心に迫る。大胆で魅力的で心地よい。2018年12月にデゴルジュ。
★90/100点
『ヴィノス
2017年12月版』
凝縮感がたっぷりなのがカロの特徴だが,リリースして直ぐに楽しめるような近づきやすさが,やや感じられるスタイル。恰幅が良くパワフルでものすごい持久力を持つこのブラン・ド・ブランは,支柱となる骨格のバネとなるアヴィーズの筋肉を十分に表現している。ドザージュがやや高めに感じられるが,それはここでは小言だ。 ★91/100点
『レ・メイユール・ヴァン・ド・フランス』
コート・デ・ブランの著名なグラン・クリュの村,アヴィーズに本拠を置くピエール・カロは,フレッシュでアペリティフに相応しい傑出したブラン・ド・ブランの造り手。カロは繊細で明確なワインとともに,ここ数年で大きく進歩した。特筆すべきは単一クリマから造られる高級キュヴェ“クロ・ジャカン”。テロワールの表現をさらに崇高なものとするために,クリュッグ・スタイルの熟成方が相応しいシャンパーニュである。カロのシャンパーニュはどれも均一で高い品質。“クロ・ジャカン”は高級だが,驚くほど濃密。傑出したスタンダードのキュヴェは,逆にとても手頃な価格。
|