「コート・ロティ最大にして、最も評価の高い生産者のひとつ。創立者のエティエンヌ・ギガルが奉公先のヴィダル・フルーリを離れ、自身の会社を創立したのは1946年。わずか50年で、ギガルの名が世界中に知らしめたのは、コート・ロティの3つの単一畑の素晴らしさにある。ラ・ムーリース、ラ・ランドンヌ、ラ・チュルクは力強さを持ち、しかも洗練された深い味わいは、他のどこのコーート・ロティも及ばない。いずれも100%の新樽で42ヶ月間熟成される。ラ・ムーリーヌはコート・ド・ブロンドの一部で1haの面積がある。1965年にギガルのものになり、66年に初リリースされた。平均樹齢は60年で、11%のヴィオニエが混醸されている。
ラ・ランドンヌはコート・ド・ブリュンヌにある2haの畑でヴィオニエは植えられていない。78年が初リリース。ラ・チュルクはかってヴィダル・フルーリが所有していたコート・ド・ブリュンヌにある1haの畑で、1982年に植樹された。それをヴィダル・フルーリ買収と同時に手中に収め、1986年にリリースした。この3つに加え、1995年にシャトー・ダンピュイ買収。もはやコート・ロティにおいてギガルの優位はとどまるところを知らぬかのようである。」
(日経PB、「世界ワイン大全」)より