1985年からブドウ栽培を始めましたが、しばらくはワインを造らず栽培のみを行ってきました。しかし、80年代に入ってから化学肥料や農薬、除草剤などがまん延しただけではなく、売ることをあまりに意識しているワイン造り、不自然なワイン造りが横行することが多くなり、1997年からは自分でワインも造り始めるようになりました。
彼の造るワインは、畑には化学的な肥料、薬品などを一切使用しておらず、醸造においても自然な発酵、熟成を心がけています。従って、使用する酵母は畑にいる野生酵母の働きを利用し、酵母を活発化させるために酸化防止剤も一切使用しておりません。
長い時間をかけてゆっくり醸されたワインの味わいは、豊かな果実味と土地固有の性質を併せ持つ、独特なものになります。
開栓してから飲む前に2時間ほど置いていただく方が、このワインをより楽しんでいただけることと思います。ビン詰めにおいて、ろ過処理を施しておりませんので底に澱が残っていたり、ワインが濁っていたりする場合もありますが、品質には何ら問題がありません。僅かにガスが残っているかも知れませんが、酸化防止剤の代わりにガスを残しておりますので、こちらも決して問題はありません。
また、余韻に若干ですが酵母のような味を感じることもありますが、これは活き活きとした野生の酵母から来るもので、これこそが正真正銘の自然派ワインであり、大自然に身を委ねるように造られたワインのみが有する特徴と言えるでしょう。