収穫
シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドでは、昔からの伝統通り、手作業でブドウを収穫しています。そのために、毎年100人以上の人々がやって来ます――たいてい、アンダルシアからのおなじみの家族ですが――ブドウの成熟度と区画の樹齢によって、ブドウを摘み始めます。早熟なメルローが収穫のトップを切り、奥手のカベルネとプティ・ヴェルドが最後を締めくくります。収穫したブドウは畑の中で厳密に仕分けされ、さらに大桶に運搬した際にもおこなわれます。
|
|
ワイン醸造
集められたブドウは、除梗と圧搾が終わると、ステンレスのタンクにつながった桶に運ばれます。このタンクは温度調節機能をもち、細かくメニューが選択でき、容量の変化にも対応しています。
桶での発酵時間は18日?24日間で、その年によって変わります。色とタンニンを最大限抽出するためのルモンタージュ(循環)が頻繁におこなわれています。
|
|
ブレンド
1970年代末以降には、シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドが常に高品質で安定していることから、その評価は“第二級の上位”と“ほぼ第一級”というレベルに達しました。この成功の鍵は「選別」でした。極めて綿密な選別が収穫の段階から始まり、特にブレンドの際にも念入りにおこなわれています。
これらの作業は、12月末から1月初めにかけて、技術チームとともにおこないます。最初のセレクションでグラン・ヴァンが、次のセレクションでセカンドワインが誕生します。
|
|
熟成
ブレンドされたワインは、アリエとニエーヴルの森の木で作られたオーク材の大樽に入れられます。木がワインに気高さを与え、アロマやタンニンを加味し、小孔からゆっくりと空気を送って、若いワインにはないまろやかさが加わります。
グラン・ヴァン“シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド”は大樽で18ヵ月寝かせます。そのうち50%がオーク材の新しい大樽、50%が1年経ったオーク材の大樽を使用します。樽は製造時に中程度の加熱をおこなって、香りを高めます。木とワインの交流は、バランスよく調和していなければなりません。瓶詰めするまで、3ヵ月毎に澱抜きがおこなわれます。清澄処理をほどこすと、澄んだワインになります。瓶詰めは収穫から2年後の6月におこなわれ、名高いボトルにはピション・ロングヴィル家とラランド家の紋章が刻印されます。
|
|
ワインの特徴
ブドウ畑の“区画の多様性”の要因は土壌とブドウ品種で、この多様性がピションのワインの複雑な個性を物語っています。
ピション高原に植えられているブドウ品種は、ポイヤック南部のサン=ジュリアンの区画まで広がっています。そのため、シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドは非常に女性的だと評されています。複雑で、気品高く、繊細で、まろやかなハーモニーがその特徴で、毎年、ヴィンテージを作る際にこの個性が再登場します。
カシスとスミレ、ヴァニラとシナモンの入り交じった鮮烈なアロマが香ります。舌には、熟して溶け込んだタンニンがはっきりと感じられます。鮮明なストラクチャーと、驚くほどのしなやかさ、完璧なハーモニー。そして余韻がいつまでも続きます。長い熟成は見込めなくても、魅力的なワインです。
|
裏ラベル
シャトーの後方にジロンド河が見える
|