Wine List 【 F-059 】

今最も人気のある「ポイヤックの貴婦人」
Comtesse de Lalande

 

1686年に始るこのシャトーを、フランス革命直前に若き男爵であったジョゼフ・ド・ピション・ロングヴィルが相続しました。「CH.ピション・ロングウィル・コンテス・ド・ラランド」という、かなり長いこの名前は、ジョゼフが1850年に亡くな直前にこの地所を5人の子供たちに分け与える決心をしました。子供たちは公平に2人の息子にブドウ畑と施設の5分の2、3人の娘たちが5分の3を相続しました。ジョゼフの娘の一人でラランド伯爵夫人であったヴィルジニーは、他の2人の姉妹とは別に、自分の持ち分のブドウ畑を独自に管理することを決断し、ここに「コンテス・ド・ラランド」が誕生しました。
シャトーは大戦などをはさみ荒廃していき、維持することが不可能になり、1925年、ボルドーの地主・仲買人の旧家であるミアイユ家出身のエドゥアールとルイ兄弟が、不景気のさなかにシャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドを買い取りました。
1978年、エドゥアール・ミアイユの娘のメイ・エリアーヌ・ド・ランクザンが所有者になり、約30年のあいだ、自ら一族の地所の経営を手がけ、その指揮のもとでクリュの新しい展開が始まりました。
ド・ランクザン夫人は投資に力を入れ、このブドウ園に最新の高性能な設備を導入しました。また彼女は疲れを知らない旅行家で、ボルドーワインの紹介に情熱を傾け、新市場開拓に世界を駆け巡ってこのワインに国際的な名声をもたらしました。
2007年、ド・ランクザン夫人は将来を見据えてブドウ畑を手放すことにし、譲渡先にシャンパーニュのメゾン、ルイ・ロデレールを選んだ。ロデレールは3代目のオーナーとなっております。

 



シャトー、ピション=ロングヴィル
コンテス ド ラランド
2003 ポーィヤック 赤

Chateau Pichon-Longueville
Comtesse de Lalande
2003 Pouillac A.C.

産地 : フランス、ボルドー、メドック地区
アペラシオン : ポーィヤックAC、メドック、グラン・クリュ2級
オーナー : ミアイユ家(メイ・エリアーヌ・ド・ランクザン夫人)、2007年よりルイ・ロデレール社の所有となる。
植栽品種比率 : カベルネソーヴィニォン 45%、メルロ 35%、カベルネ・フラン 12%、プチ・ヴェルド8%
2003ヴィンテージ : 下記参照
植栽面積 : 79ha
平均樹齢 : 年
植樹割合 : 10,000本/ha
アルコール度 : 13.0%
容量 : 750ml
タイプ : 赤ワイン。フルボディ
評価 : 下記参照
希望小売価格 : 35,640円

収穫
シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドでは、昔からの伝統通り、手作業でブドウを収穫しています。そのために、毎年100人以上の人々がやって来ます――たいてい、アンダルシアからのおなじみの家族ですが――ブドウの成熟度と区画の樹齢によって、ブドウを摘み始めます。早熟なメルローが収穫のトップを切り、奥手のカベルネとプティ・ヴェルドが最後を締めくくります。収穫したブドウは畑の中で厳密に仕分けされ、さらに大桶に運搬した際にもおこなわれます。

 

ワイン醸造
集められたブドウは、除梗と圧搾が終わると、ステンレスのタンクにつながった桶に運ばれます。このタンクは温度調節機能をもち、細かくメニューが選択でき、容量の変化にも対応しています。 桶での発酵時間は18日?24日間で、その年によって変わります。色とタンニンを最大限抽出するためのルモンタージュ(循環)が頻繁におこなわれています。

 

ブレンド
1970年代末以降には、シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドが常に高品質で安定していることから、その評価は“第二級の上位”と“ほぼ第一級”というレベルに達しました。この成功の鍵は「選別」でした。極めて綿密な選別が収穫の段階から始まり、特にブレンドの際にも念入りにおこなわれています。 これらの作業は、12月末から1月初めにかけて、技術チームとともにおこないます。最初のセレクションでグラン・ヴァンが、次のセレクションでセカンドワインが誕生します。

 

熟成
ブレンドされたワインは、アリエとニエーヴルの森の木で作られたオーク材の大樽に入れられます。木がワインに気高さを与え、アロマやタンニンを加味し、小孔からゆっくりと空気を送って、若いワインにはないまろやかさが加わります。 グラン・ヴァン“シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド”は大樽で18ヵ月寝かせます。そのうち50%がオーク材の新しい大樽、50%が1年経ったオーク材の大樽を使用します。樽は製造時に中程度の加熱をおこなって、香りを高めます。木とワインの交流は、バランスよく調和していなければなりません。瓶詰めするまで、3ヵ月毎に澱抜きがおこなわれます。清澄処理をほどこすと、澄んだワインになります。瓶詰めは収穫から2年後の6月におこなわれ、名高いボトルにはピション・ロングヴィル家とラランド家の紋章が刻印されます。

ワインの特徴
ブドウ畑の“区画の多様性”の要因は土壌とブドウ品種で、この多様性がピションのワインの複雑な個性を物語っています。 ピション高原に植えられているブドウ品種は、ポイヤック南部のサン=ジュリアンの区画まで広がっています。そのため、シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドは非常に女性的だと評されています。複雑で、気品高く、繊細で、まろやかなハーモニーがその特徴で、毎年、ヴィンテージを作る際にこの個性が再登場します。 カシスとスミレ、ヴァニラとシナモンの入り交じった鮮烈なアロマが香ります。舌には、熟して溶け込んだタンニンがはっきりと感じられます。鮮明なストラクチャーと、驚くほどのしなやかさ、完璧なハーモニー。そして余韻がいつまでも続きます。長い熟成は見込めなくても、魅力的なワインです。

 


裏ラベル
シャトーの後方にジロンド河が見える

 

2003ヴィンテージコメント(ピション・ラランドのHPより転載)

「河の冷たさが夏の猛暑を相殺した。この年の秀逸ワインの多くが<<河のほとり>>の上質ブドウ畑(特にモンローズ、ピション・コンテス・ド・ラランド、ラトゥール)で栽培されたものであるのは決して偶然ではない。

アセンブリ: 65% カベルネ・ソーヴィニヨン、31% メルロ、4% プティ・ヴェルド

 

冬:  地下水位を満たすに十分な降水があった冬。
春:   温暖で日照豊富な春のおかげで畑の萌芽は均質に進んだ。開花は5月12日から月末まで暑く風が吹く天候のもと進んだ。花振るいが起きたことで収穫量の減少に繋がった(2002年ビンテージとの比較はなしに)。
萌芽:5月18日から25日。開花中間期:5月25日から28日。
夏:  8月の猛暑は果実の成熟を遅らせた。土壌下層部に若干の粘土を含んでいること、および根の深度が高い古株であること、これらがこのビンテージの成功の鍵となった。7月および8月の3度にわたる雷雨のおかげでの猛暑を乗切ることが出来た。9月には日中と夜間の気温差が多量のフェノール成分の凝縮に役立った。2003年ビンテージは夏の猛暑で特徴づけられる。着色中間期:7月30日から8月3日
秋:  収穫:メルロは9月10日開始、カベルネ・ソーヴィニヨンは9月18日開始。収穫最終日:9月26日

 

■ 2003Vnt 評価 ■
La Revue Des Vins de France - 特別号 - 2005年11月
濃い真紅の外観。ラズベリー色の光沢。複雑性のある良く熟し洗練された見事な香り。類い稀なスパイスのニュアンスと鮮やかな果実。芳醇な味わい、飲み心地の良さとタンニンの上質な織り、優れた果実表現と余韻を備えたワイン。ボリュームとストラクチュアが特長。ポテンシャルのあるワイン。
Carnets de Degustation - Jean Marc Quarin - No.47 ≪ Les Bordeaux un an apres les primeurs
(プリムールから一年経ったボルドーワイン)≫ - 2005年11月
 サイト:www.quarin.com
17-17.5 見事な濃厚なカラー。繊細かつ果実香豊か、クリーミーなたっぷりとした秀逸な香り。エアレーション後、芳醇さを帯び、熟した瑞々しさとともに、スギ、チェリー、カシス、鉛筆の非常に独特なノートが感じられる。味わいは、何という気品!大西洋がもたらすスタイルと南っぽさの微妙なミックスが楽しめる。瑞々しさが常に少しばかり主流。加えて熟したノートのおかげで信じられないほど魅力的なワインに仕上がっている。フィニッシュは、より一層タンニンが強く、より北っぽさが見られる。この独特なスタイルがあるうちに、若い段階で飲むことをお奨めする。
Jancis Robinson - 2004年4月 - ウェブサイト:www.jancisrobinson.com
完熟果実のアロマをたっぷりと含む香りと濃厚な紫色の外観。魅力的なミネラル感を備え、実に濃いワイン。十分開いており上品な味わい。芳醇。見事なほどに絹のような滑らかさを持ち繊細。タンニンは徐々にあらわれてくる。分析によるとタンニン値が高い印象だが、実際の味わいはそうでもない。うまく調整されている!瑞々しい青リンゴのノート、実に濃縮した味わい。鮮明でうまくブレンドされている。ドメーヌのスタイルに忠実で、何軒かのシャトーと異なりビンテージのスタイルに支配されていない。飲み頃:2010-2020
Wine Advocate - Robert Parker - 2004年4月
93-95 このブレンドワインには、グラスの縁まで濃度のある紫色の外観を備え、春の花、カシスリキュール、ブラックベリーの鮮やかなアロマの他にローストエスプレッソのノートを含んでいる。
濃くたっぷり芳醇で、かつ見事な清らかさと過熟傾向がまったく見られないワインである。若いうちに美味しく飲むことが出来るし、15?20年の熟成も可能である。1982年ビンテージより同じ熟成段階で見るとよりクラシクなスタイルではあるが、前述ビンテージと実に似通っている点が多い。予想熟成ポテンシャル:2008-2020
Wine Spectator - James Suckling 2004年3月 - ウェブサイト:www.winespectator.com
95/100 潰れたブドウと赤果実のノートを放つワイン。粘性が高く芳醇なワイン。ビロード感のあるタンニンを含み豊かな仕上がりで、余韻は非常に長い。ジューシーなワイン。1995年と1996年の交配ワイン。事実、2000年の品質を越え得る。秀逸。
Decanter - Steven Spurrier - 2004年4月 - ウェブサイト:www.decanter.com
★★★★(4つ星)とにかく偉大。ほとんど黒とも言える外観。スモーク、エギゾチックフルーツの甘美で酔うようなアロマが特徴的。何とも荘厳な仕上がりの実に美味なワイン。滑らかさとともに熟成ポテンシャルの高さも感じさせる。
 


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