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TOPIX

★サンテミリオンに世界一高価な Vdt 出現


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★サンテミリオンに世界一高価な Vdt 出現
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【Ch.ド・ヴァランドロー】といえば、'95ヴィンテージのプリムールオークションでメドック五大シャトーより高値で取り引きされ話題を呼び、ポムロールのル・パン同様ミシェル・ロランが栽培・醸造コンサルタントを努め、R・パーカーが高得点を付けて一気にブレークしたシャトーですおよそ10万円程で取り引きされているサンテミリオンのシンデレラワインでは、なぜヴァン・ド・ターブルになってしまうのか?というと、
今年5月の法令でINAO(フランス国立原産地呼称委員会)が「シート式ブドウ栽培」方法を禁止したことにより、この方法を試みていたシャトーはAOC認定から外されてしまう事になりましたAAOCサンテミリオン・グラン・クリュのシャトー・ド・ヴァランドローは2000年ヴィンテージより事実上世界一高価な Vdt になることは確実です。
この「シート式ブドウ栽培」法とは、収穫前にブドウ畑の地表面をシートで覆い、ブドウ樹が根から雨水を吸い上げてブドウの凝縮度が希釈されるのを回避する為の栽培方法で、すでに日本でも他の作物で採用されていますが、作為的で「テロワール」を重んじる INAO では、この「テロワール」の概念にそぐわないものと判断したものと思われます。
ではサンテミリオン・グラン・クリュ【Ch.ド・ヴァランドロー】の2000ヴィンテージは全くなくなるのかというと、そんなことはないyCh.ド・ヴァランドロー】はサンテミリオンに8ha畑を所有しており、このうち2haで実験栽培をしていたもので、残りの6haから従来通りのサンテミリオン・グラン・クリュAOCのワインがリリースされます。それではこのAOCから外れた Vdp はどうなるかというと、オーナーのテュネヴァンさんは「他のプルミエ・グランクリュ・クラッセより高く売る」意向だというvリムール価格はどうなるのでしょう?興味津々です。

ヴァランドロー以外でこの栽培方法を採用している畑はというと、前出のコンサルタントのM・ロランがフランサックに所有している<Ch.フォントニル>フロンサックの<Ch.ド・カルル>などがあるそうです

TANAKA-YA WINE NEWS 2000/11/03 版

 

 

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★ ヴァランドローの新ネーム
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1月11日付Wine Todayが伝えるところによりますと、ヴァランドローの新ネーム決まったようです。いつでしたがお話しましたが、畑に雨よけのビニールシートを敷いたために格付けからはずされました。INAOの理屈からすれば土壌に干渉し、テロワールの概念を壊すものだからです。
1999年は2ヘクタールにビニールシートを敷いており、この2ヘクタールから造るワインはサンテミリオン グランクリュを名乗ることは出来ませんが残りの畑から作られるワインはシャトードヴァランドロー・サンテミリオン グランクリュを名乗ることが出来ます。しかしワインそのものがなくなるわけではなく、新たな名前で登場します。
その名を"L’Interdit de Valandraud" 文字通り訳せば「ヴァランドローの禁止」 。人によってはもっと響きの良い、例えば「禁じられたヴァランドロー」のような訳をつけるのかもしれません。それからもう一人同じ罰をくらったワイナリーは、ミシェル・ロランのシャトー・フォントニルですが、こちらのワインのネーミングは"Le Defi de Fontenil "「フォントニルの挑戦」です。

罰をくらった本人達は、どちらかというと「どこ吹く風」のような感じだそうで、自由度が増えたとも言っているようです。しかし実はビニールシート1999年はINAO自身が「実験」で使って良いよと言ったのです。その中にはペトリュスを含むほかのワイナリーも含まれていました。INAOは2000年にビニールシートを使用するのは禁じました。彼らはそれに反旗を翻してしまったので罰を食らったのです(ムエックスは使用しませんでしたが)。
フランス人はもともとネーミングが下手といわれる人々ですが・・・ 私から言わせればどうしようもないネーミングです。理解できない。しかしどういういきさつでこのような名前になったのかをしばらくは忘れないですよね。しかしその先は忘れられて「何でこのワインは、こんなアホななまえなんやろう?」と思う人もいることでしょう。(H)

○電子メールマガジン「バリックヴィル・ワインニュース」2001/1/15