たわごと98/12/02

「まったり」って?


広辞苑第5版が出版されました。宣伝で既にご存知でしょうが、新たに付け加えられた言葉の一つに「まったり」という言葉があります。
早速、調べてみました。

まったり」・・・味わいがまろやかでこくのあるさま。「 _した味」

と載っております。

私が「まったり」という言葉を知ったのはワインをはじめてからです。多分、大阪を中心とする関西の言葉らしく最初まるで意味がわかりませんでした。そのうち、何度か味わいの表現の中で使われるのを聞き、おおよその輪郭をつんだつもりでおります。

ところが、渋谷センター街あたりに群れる、若者達に使われる「まったり」は味わいの表現とは違うらしい。
「つかれたから、まったりしよーぜ」などと言い、道にしゃがんで、ペチャクチャはじめる。
など、どうも緊張感を取り除き、自分の楽な姿勢になる。ダラダラすることらしい。私が学生の頃、自分の気に入らない事・物に「かったるい」を連発する友人がおりました。少し乱暴ですが、それと同じような意味・使われ方なんでしょう。
とすると、この広辞苑の「まったり」の説明は、もう一つ若者言葉の意味を加えても良いのではないでしょうか?などと思ったりします。ひょっとしたら、現実には後者の方が使用頻度が多いかもしれません。

先日、車の中でラジオを聞いていたら、ゲストの女優が「最近ワインがおいしく、レストランでもよく飲むようになりました。」と言うのです。話の中で「昨日ロマネコンティを飲みました」と言い、味わい・感想を聞かれ「まったりして、大変おいしく、感激しました」と答えてておりました。
オイオイ「まったり」は止してもらいたい。ロマネコンティが聞いたら、「まったり」してしまう。
各自の感想・印象ですから、それをとやかく言うべきことではないのですが、流行病のように「まったり」が使われているような気がします。まるでアイドルを見ると「キャー、かわいい」「ウッソー」と条件反射的にでる反応と似ているようです。

どうもあまり急にワインブームが大きくなったため、それを受け入れ楽しむ側がついていけないようです。

私の中の「まったり」は、困ったときの「まったり」。
ワインの表現に詰まり、でも何か言わなければ・・・。そんな時の言葉という印象が強く、あまり使いたくない言葉です。

でも、ロマネコンティを何と言えばいいんだろう・・・?
「偉大」「グレート」・・・アッ同じだ
「パワフル」・・・ちょっと月並みでパワーがない
弱った!
しょうがない!「偉大」「パワフル」「デリシャス」などなど・・・。
それから、エート・・・「まったり」。
えいっ「アンタッチャブル」だ!

長島監督なら何と言うんでしょう。

 

蛇足ですが、先の女優はテレビドラマで口移しでChマルゴーを飲んだ方ではありません。彼女ならもっと、ガンガンご自分の感想を述べることでしょう。
名誉のため、お断りしておきます。


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