ファーストフードの台頭による「食」や「味わい」の世界的な均質化が進むことへの危機感から、1986年イタリアの片田舎で 地元の「食材」や 「食文化」 を 大事にしようという「スローフード」運動が始まりました。
さらに、「スローフード」から「スローライフ」へ発展し、速さや効率・成果 ばかり が重視され、ゆとりをなくした 生活を見直していこうという 「人は如何に生きるべきか」 という根源的な命題の一つの答えとして注目されています。このような考え方は、今日本に一番必要なことであり、 日本人が一番求めていることかもしれません。
そして、「日本酒」は、その成り立ちといい味わいといい 「スローフード」「スローライフ」がぴったりの酒なのです。昨年の夏季頒布会「棚田を渡る風」では、「棚田」という特別な田んぼで栽培された酒米で造られた純米吟醸の頒布会をご提案しました。ドジョウやトンボ、蛍などが棲みやすい自然に近い環境のイメージが安心感や美味しさのイメージと重なり、お客様の共感を呼んだのではないでしょうか。
今回の頒布会では、もう少し大きな視点での「自然」をテーマに、「より自然や風土に近い酒」「より人と自然を近づける酒」「人と人とを近づける酒」をコンセプトとしています。