WineList 【 P-8680 】
19世紀初頭に設立されたこのエステートは、険しい山々を開墾しブドウ畑を13年の歳月をかけて造りました。 創立者の死後、その経営を引き継いだのはその妻ドナ・アントニア・アデレイド・フェレイラで、見事ともいえる経営手腕を発揮しました。 1876年、ヴィラ・マイオール子爵がヴェスヴィオとそのワインについて “これらのワインは全て、細心の注意をもって完璧に造られている。桶に入れられると、構成は均一となり、温かみのある紫色を呈していて、官能的。コクがあり、ヴェルヴェットのように滑らかな柔らかさを持つ。この鼻にインパクトのある香りがないと、何年もの熟成の後にのみ可能となる、ドウロのワインの究極の品質を保証することはできない。” と、記しています。
1992:良い年で、芳醇さと濃縮感があり、1991年に匹敵するヴィンテージ。 ピーター・シミントン コメント 1992年10月■発酵中は卓越した色と香りがあり、ブドウは良い状態でした。収量は1991年より20%低くなっており、それは乾燥した冬によるものです。今までで最高の年の1つです。深い赤色で、濃密な果実が香りに表れ、素晴らしいイバラの特徴が加わります。フル・ボディで卓越した濃縮感があり、フィニッシュは力強く優美です。
1989年、キンタ・ド・ヴェスヴィオは、イギリスのシミントン家に購入されます。ヴェスヴィオは現在ヴィンテージ・ポート最高の生産者の1つと考えられています。 現在ピーター・シミントンが息子チャールズと共に畑と醸造を管理しています。彼は“ワイン・チャレンジ”で年間ベスト酒精強化ワイン生産者に6度も選ばれています。彼の他に、この賞を2度以上受賞した生産者はいません。またチャールズも2003年に同じ賞に輝きました。
ヴィンテージポート: ヴィンテージポートワインの特徴としては、その年ごとのポートワインの環境状況が良いと思われる時期に「ヴィンテージポート」としての「宣言」が行われることです。 環境状況が良いとは、その年に「最高の品質のワインが出来た」ということと、その宣言をしようとする時期に、市場環境が整っているということです。例えば1931年は素晴らしい年だったが、1932年から1933年にかけての大不況のためにヴィンテージ宣言をするどころではなかった時は、その宣言はされません。 ポートワインを製造する大手業者の大半がその品質とタイミングに同意した時に初めてヴィンテージ宣言が出されるというシステムになっているのです。 しかし、ヴィンテージポートの難点は、熟成に長い時間がかかってしまう事といわれています。 少なくとも10年から20年さらにもっと寝かせなければいけないので、出荷からお金の回収までに大変な時間と資本がかかってしまう事が難点のひとつと言われています。 しかしピークのヴィンテージポートは、至高のポートワインになっているのです。(WANDS online No.10 Feb 2003より転載)