<プロジェクト・コンセプト>
「Ch.ペトリュス」オーナーのムエックス社がこれからのワイン造りの考えに大きな影響を与える面白いプロジェクト『ワインメーカーズ』を立ち上げた。
今まで同じ有名な造り手が、いろんな場所でワインを造っていたが、今度は逆に、さまざまな世界的に名の知られた造り手が同じ場所でワインを造れば非常に面白いことになるのでは、と考えた。料理の世界でも、ジョエル・ロブション、アラン・デュカス、ミシェル・ゲラールを呼んで、3名が同じ素材を使って、同じメニューの料理を作ったとしても、それぞれまったく違う味わいの料理が生まれるであろう。それと同様に「同じテロワール、同じぶどうを使っても造る人間が違えば、今までは考えられなかった違うワインが生まれるのではないか」と。
そこで、歴史あるメドックのシャトー・ダルザックで、ムエックス社が畑を確保し、毎年違う造り手にすべてを任せてワインを造ってもらうというプロジェクトが始まった。
毎年の気候と、1年ずつ積み重ねられるぶどう樹の樹齢以外は、ぶどう品種も同じ、ぶどうの木も同じものを使って毎年異なる造り手がワインを造っていく。栽培や醸造、全体の管理も造り手にすべて任される。収量制限、剪定、収穫をいつやるのか、ブレンドなどすべて造り手が決め、独自のスタイルを一年間の中で決める。中には造り手によって使わない品種も出てくるであろう。それらすべてをその年に担当した醸造家が判断し同じ環境の中でワインを造るのである。
このワイン界でも初の試みの
初年度である2005年を担当するのは、世界的な名ワインメーカーであるミシェル・ロラン。
2006年はボルドー大学醸造学部教授で自らもシャトーを所有しワイン造りを行っているドゥニ・デュブルデュー
その次の年はイタリアの造り手が予定となっている。
2006、2007、2008年はどういう気候でどういうワインが出来るかわからないが、少なくとも2005年のミシェル・ロランはこれからの大きな基盤および基準となる。必ずや世界で大きな話題となることは間違いなく、将来恐らく注目度や希少性から、その価値も上がることは容易に想像ができる。