WineList 【 F-007_13 】

Mouton 2013
余は一級であり、かつては二級であった
ムートンは不変なり


 

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シャトー. ムートン・ロートシルト
ポーィヤック 赤

Chateau. Mouton Rothschild 2013
AOC Pouillac


産地 : フランス、ボルドー、メドック地区、ポーィヤックAOC
グランクリュ1級
生産者 : Ch.ムートン・ロートシルト
(オーナー: バロンヌ・フィリピーヌ・ロートシルト)
テクニカル・ディレクター : パトリック・レオン
品種 : カベルネソーヴィニォン(89%)、メルロ(7%)、カベルネフラン4%)
植栽面積 : 75ha
単位植栽本数 : 8500本/ha
平均樹齢 : 約60年
収穫 : 9月30日〜10月9日。手摘み
熟成 : 樽熟成(19〜22ヶ月)
新樽使用割合 : 100%
アルコール度 : 13.0%
容量 : 750ml
タイプ : 赤ワイン。 フルボディ
ラベル作品担当 : リ・ウーファン ( 1936 〜 )
 
 

シャトー公式サイトのテイスティングコメント :
色彩は、深紅がかった強く深い赤色。まず最初にブラック・チェリー、ラズベリー、ブラックベリーのアロマが感じられ、空気に触れることでスパイシーで繊細なロースト香の複雑味のある香りが開いてきます。
アタックは、クリーンでフレッシュで濃厚。口の中にヴァニラ、チョコレートのニュアンスが広がり、洗練されたタンニンが味わいを支えています。
骨格はしっかりとした丸みを帯びており、深く強い香りとともに余韻が長く続きます。

 

 

 

天候条件
2013年の天候は、変わりやすく移ろいやすかったと記憶されるでしょう。
寒くて湿気の多い冬。冷涼で雨の多い春だったため、植物の循環がうまく行われず、開花にも影響を及ぼしました。対照的に、7月と8月は特に熱く日照量も多く、平均よりかなり少ない降水量でした。7月後半には激しい嵐が原因となり、38度の最高気温を記録しました。
水不足が9月も続いたことで、ブドウがムラ無く熟すこととなりました。カベルネは、とてもよい出来で、総じて糖度も十分で良質な酸味もたたえています。

ムートン・ロスチャイルドの収穫は、記録的な早さの9月30日から10月9日の間に、ファミリー企業バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドの従業員達の多大なサポートにより終えられました。従業員達は、畑に招かれ、摘み取り業者に加わりました。130名以上のスタッフ達が要請に応え、10月9日には695食が収穫者のためのカフェテリアでサーブされ、これは空前の記録となりました。

丹念に選果され、ブドウは柳カゴから、ムートン・ロスチャイルドの非常に大きなバット・ルームの中の重量供給された桶に運ばれました。主要な変革の中でも、透明な桶用のフタを用いることで、技術スタッフは発酵の過程を微細に観察することができます。

収量は、過去40年の中でも最も少ない部類に入りますが、厳格な選定により高い品質が保たれました。2013ヴィンテージは、ブドウを最高のものに仕上げるために注意深く取り扱われ、造り上げられ、調整されてきました。

 

リ・ウーファン 李 禹煥 (Lee U-Fan、???、1936年 - )氏:

大韓民国慶尚南道に生まれ、日本を拠点に世界的に活動している美術家。日本の現代美術の大きな動向である「もの派」を理論的に主導したことで有名である。直島に安藤忠雄とのコラボレーションによる李禹煥美術館が開館した。多摩美術大学名誉教授(Wikipedia)。

彼は、天然の素材とシンプルな形状を好み、瞑想、壮大なパワーを有する彼の魅力を織り込むこと、調和と抑制といった、人々を魅了する効果を創造しています。
ムートンのための彼の作品の中では、最初ははっきりとしない紫色の線描が、徐々に鮮やかさに満ちたものとなり、それはちょうど醸造所の神秘の中で、ひたすらにその完成形へと向かっている偉大なワインのようです。

 

 

 

ムートン=ロートシルトは故フィリップ・ロートシルト男爵が独自につくり上げた場所であり、ワインである。21歳でこのシャトーを得たとき、彼が並々ならぬ野心を抱いたのは疑いないことだ。しかし、豊かで著しく深みのあるエキゾチックなスタイルのポイヤックの生産によって、彼は1855年のメドックのワインの格付けを変えさせた、たった一人になったのである。男爵は1988年1月に死去。今はその娘フィリピンヌがこのワインづくりの帝国の精神的頂点にいる。彼女は常に、パトリック・レオン率いる有能なムートン・チームの頼もしい協力を得てきた。

 1973年、ムートン=ロートシルトは公式に「一級シャトー」と格付けされる。こうして、異才の男爵は、彼の挑戦的ワインのラベルの言葉を、「一級にはなれないが、二級の名には甘んじられぬ、余はムートンなり」から、「余は一級であり、かつては二級であった、ムートンは不変なり」と変えたわけである。

 疑問の余地なく、私が飲んだボルドーの最もすばらしい瓶のいくつかはムートンだ。1929年、1945年、1947年、1953年、1955年、1959年、1982年、1986年、1995年はムートンでも最良の、ほれぼれするようなワインである。また平々凡々としたムートンもずいぶん飲んだ。一級シャトーの作としてはお粗末、買って飲むお客にとってはまったく腹立たしいという代物だ。1980年、1979年、1978年、1977年、1976年、1974年、1973年、1967年、1964年はしかし、一級シャトーの水準を相当下回った。1990年と1989年という2つの有名なヴィンテージでさえ、つくられたのは、ずば抜けたヴィンテージに一級シャトーに期待されるワインとしては、驚くほど厳しく、凝縮味を欠いていた。なぜこのワインが商業的に成功したか、理由はいろいろある。まず、ムートンのラベルが収集の対象であること。1945年以来、フィリップ・ロートシルト男爵は、画家に年に一枚、絵の作成を依頼し、それがラベルを飾った。ムートン=ロートシルトのラベルに登場する大家にはこと欠かなかった。ヨーロッパからミロ、ピカソ、シャガールにコクトー、アメリカ人ではウォーホル、マザーウェル、そして1982年にはジョン・ヒューストン。次に、すばらしいヴィンテージにおけるムートンのふくよかさが、ラフィット=ロートシルトの厳しい優雅さと、そして濃密で逞しく力強く、タンニンのきいたラトゥールと、かなり違ったスタイルを持つこと。三番目には、申し分なく維持されたシャトー自体が、その一流のワイン博物館とともに、メドックの(そして多分全ボルドー地域でも)最高の観光地であること。最後に男爵自身、彼が自らのワインのみならず、ボルドーのすべてのワインを普及させるために尽力したということがある。彼の娘フィリピンヌも、父の遺産を十二分に存続させる力がありそうだ。
講談社 R.パーカー『BORDEAUX ボルドー 第3版』

 


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